突然ですが、この度わたくし、結婚する事になりました。
お相手は個人作家の
折羽ル子さんです。
きっかけは「ホラーアンソロジー春禍秋冬」企画をやった時でございますね。「オフ会をしますか」みたいな話がチラっと出てきた頃に、別件で折羽のお姉様と雑談していたら「じゃあ秘密で会いますか?」という話になりました。
日頃より折羽のお姉様は脇が甘いので、「ちょっと頑張ればヤレそうでございますね」と思っていたわたしは、下心満載でオフ会をセッティングしたのでございます。夏居暑氏は呼びませんでした。断じて呼びませんでした。
いやはや、他のアンソロ仲間すら騙して密会でございます。これがワクワクしないはずがありません。
折羽のお姉様とは新宿の改札前でお会いいたしました。
高いヒールの靴を履き、そよ風に揺れる髪は桃色、ぶっ飛んでいるようにも見えるその瞳は、無垢な人の心をむやみに切り裂きそうな鋭さでした。わたしは一目見ただけで「この方が折羽のお姉様に違いない」と確信したものでございます。
(画像はイメージです)
折羽のお姉様もわたしの姿を見てすぐ察したようでございます。
彼女が微笑むと、時空が苦笑いいたしました。
予約しておいた居酒屋ではのっけから全開で酒瓶を空けていきました。オフ会には勢いというものが必要でございます。折羽のお姉さまは、普段から危うい目つきをさらにこじらせながら焼酎のボトルを一人で3本空けておりました。
ただ、目の焦点はことごとく合っていませんでしたもので、わたしはここぞとばかりに下ネタを連発したのでございます。指先の爪で、太股をなぞるのも忘れませんでした。問題は仕掛けている側のわたしの方がどんどん固くなっていることでございましたが。
二人で楽しく呑んだ後、当然の如く「せっかくなので一発ぐらいヤッておきますか」という話になり、トントン拍子にラブホテル街まで向かいました。予定通りではありますが、それは口に出してはいけません。心ときめく運命とは、計算の上に建築された虚構なのでございますから。
ホテルの受付にはお茶挽きのデリ嬢らしき女性がコーヒーを啜っていました。たしかに、あの見てくれではお茶挽きになっても仕方がない。さっさとお化け屋敷に転職するべきでございます。
そんな考えがふと浮かんでしまい、少しばかり反省いたしました。彼女だって今日にも大金持ちの殿方を捕まえるかもしれません。人知れず彼女の幸せを思いつつ、わたしはエレベーターのボタンを押しました。
それはさておき、無事にチェックインを済ませたわたし達は、シャワーを浴びる間も惜しんでお互いを貪ったのです。くちづけは、ドアを閉めるのと同時でございました。
舌を絡め、粘つく液体を交換し、そのままベッドにダイブでございます。汚いとは思いつつも、体の奥から聞こえる「欲しい」という声には抗う事が出来ませんでした。湿度が高く、ムラムラしやすかったというのもあるかもしれません。
さて、夜の営みが久方ぶりだった事もあり、うっかりペース配分を間違えたわたしは、早々に一度目の昇天を迎えてしまったわけでございます。アラ情けない。
「せっかく折羽のお姉様が一肌脱いでくれたのに、これでは男が立ちませぬ」と、もう一番のお手合わせをお願い申したのですが、一点問題がございました。ホテルに用意されていたゴムが切れてしまったのです。
あなや、ラブホテル街にも迫る不況の波。経費削減のために備品が減らされるのは仕方のない事です。ですが、それで諦めては男が立ちませぬ。なにしろ、息子の方はギンギンに(自重)
ゴムが無いのは仕方ありません。「それならば外でお出しいたします」という事でお楽しみを続けたわけでございます。
揺れて、揺れてこの世界が、何も信じられないまま(これ以上書くとジャ○ラックに怒られるので自重)
ベッドは揺れました、花びらのように。
子種も散りました。悲しいほど鮮やかな花びらのように。
そうしたらばですよ、奥さん。
その中の暖かさたるや、もう……。
とろけて、とろけて。
わたしはただ、とろけてしまいそうでした。
「これは油断したら盛大に出してしまうなあ」と考えていましたところ、気付けば精という精をすべて折羽姉様の中に吐き出した後でございました。
あなや、折羽姐様もこれにはご立腹でございました。ちょっとばかり焦ったわたしは「シャワーで洗えば何とかなるぉ」と言って、のちに行方をくらませようと思っていました。ですが、逃げ損ねたら命を失いかねません。
何しろ相手はあの折羽のお姉さまです。筆おろしはしても子をおろす事はないでしょう。
そんな事を提案しようものなら、わたしが三枚おろしにされてしまうに違いありません。
「なら結婚すれば良くね?」という事で、わたし達はアッサリと籍を結ぶ事となったのでございます。
そしてこれがあの夜にこさえた双子でございます。
さて、この双子はまだ折羽ママのお腹にいる最中でございまして、出産予定日は
6月30日となっております。
わたし達の遺伝子がぐっちゃりと混ざり合って出来たこの子供達を、どうかひとつよろしくお願いします。
この記事を真に受ける作家が一人でも多くいる事を願って。
以上、月狂四郎が折羽四郎に改名するご報告でした。
……その通り、婿養子でございます。
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