「Point Kill G」書評
- 2015/04/14
- 23:30
ずっとつんどく状態になっていましたが、忌川さんの呟きがきっかけで夏居暑氏の「Point Kill G」を読みました。
こちらはつんどく速報の記事で紹介されていますので、ルールの詳細についてはこちらをご覧下さい。
読み終わった感想は、またすごい作品を見つけてしまったなという感覚ですね。
本作を一言で説明するなら、500万円を賭けた殺人犯当てゲームですね。殺人犯とはいっても、本当に殺すというわけではなく、無作為のプレーヤーに殺人鬼役が当てられるという事です。
で、最近特に思うんですが、本格的なミステリー小説を書ける人ってやっぱりすげえなと思うんです。私はある程度作品の方向性だけを決めたら、あとは好き勝手書いていくスタイルなのですが、ミステリー小説についてはもっと精緻なプロット(主に仕掛けについて)を組まないと書けないのではないかと思っています。
ご本人に直接聞いたのですが、本作はプロットを練るのに一年半ぐらいかかったそうです。それだけこの作品はあらゆる仕掛けが計算されつくしていて、最後の最後で一気に点が線で繋がるんですね。
レビュアーさんが口を揃えて言う「序盤のルール説明部分はなんとか変えた方がいいんじゃないか」という指摘があるのですが、ちょっと代替案を考えたところ、思いつきませんでした(笑)。さすがにそこまで描写で書くのはキツいかなと。そういう意味では最初にボンとルール説明を持ってきたのは潔かったのかもしれません。
いやらしい話ですが、本作は250円で売られていますから、購入資金を考えて読者はそんな簡単には投げ出さないだろうと。そういう意味では安売りしない方がいいでしょうね。この作品は。
それで、後半になればなるほど先が気になって仕方がないんですね。絶対に犯人だと思ってた奴が犯人じゃなかったり、「き、貴様くぅあー!?」と言いたくなるようなどんでん返し。そして最後に披露される著者の暑い想い。
いやすごい、しかしすごい。何がすごいって、このレベルの作品が埋もれてしまうのか……と、前の書評でも同じ事を言っていたような(笑)。
なんとなく思い浮かべた作品は「お前たちの中に鬼がいる」ですかね。作風は違いますけど、「Point Kill G」と相似的な立ち居地にいる作品かもしれないと思いました。先にこっちの方に出版社の声が掛かってたらどうなってたのかな? なんて思います。両者を比較するなら、前半は「お前たちの中に鬼がいる」、後半は「Point Kill G」に軍配が上がりますかね。あくまで私の主観ですが。
しかしミステリー系の作家さんはインディーズでもすごい人が沢山いますね。しばらくミステリーにハマるかもしれません。
間違いなく値段以上の価値があります。ミステリー好きだけでなく、気持ちよく騙されたいという方はぜひ読んでいただければと思います。
![]() | Point Kill G [完全版] (2013/07/07) 夏居暑 商品詳細を見る |
こちらはつんどく速報の記事で紹介されていますので、ルールの詳細についてはこちらをご覧下さい。
読み終わった感想は、またすごい作品を見つけてしまったなという感覚ですね。
本作を一言で説明するなら、500万円を賭けた殺人犯当てゲームですね。殺人犯とはいっても、本当に殺すというわけではなく、無作為のプレーヤーに殺人鬼役が当てられるという事です。
で、最近特に思うんですが、本格的なミステリー小説を書ける人ってやっぱりすげえなと思うんです。私はある程度作品の方向性だけを決めたら、あとは好き勝手書いていくスタイルなのですが、ミステリー小説についてはもっと精緻なプロット(主に仕掛けについて)を組まないと書けないのではないかと思っています。
ご本人に直接聞いたのですが、本作はプロットを練るのに一年半ぐらいかかったそうです。それだけこの作品はあらゆる仕掛けが計算されつくしていて、最後の最後で一気に点が線で繋がるんですね。
レビュアーさんが口を揃えて言う「序盤のルール説明部分はなんとか変えた方がいいんじゃないか」という指摘があるのですが、ちょっと代替案を考えたところ、思いつきませんでした(笑)。さすがにそこまで描写で書くのはキツいかなと。そういう意味では最初にボンとルール説明を持ってきたのは潔かったのかもしれません。
いやらしい話ですが、本作は250円で売られていますから、購入資金を考えて読者はそんな簡単には投げ出さないだろうと。そういう意味では安売りしない方がいいでしょうね。この作品は。
それで、後半になればなるほど先が気になって仕方がないんですね。絶対に犯人だと思ってた奴が犯人じゃなかったり、「き、貴様くぅあー!?」と言いたくなるようなどんでん返し。そして最後に披露される著者の暑い想い。
いやすごい、しかしすごい。何がすごいって、このレベルの作品が埋もれてしまうのか……と、前の書評でも同じ事を言っていたような(笑)。
なんとなく思い浮かべた作品は「お前たちの中に鬼がいる」ですかね。作風は違いますけど、「Point Kill G」と相似的な立ち居地にいる作品かもしれないと思いました。先にこっちの方に出版社の声が掛かってたらどうなってたのかな? なんて思います。両者を比較するなら、前半は「お前たちの中に鬼がいる」、後半は「Point Kill G」に軍配が上がりますかね。あくまで私の主観ですが。
しかしミステリー系の作家さんはインディーズでもすごい人が沢山いますね。しばらくミステリーにハマるかもしれません。
間違いなく値段以上の価値があります。ミステリー好きだけでなく、気持ちよく騙されたいという方はぜひ読んでいただければと思います。
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