新作の断片
- 2022/11/22
- 01:09
――森岩次郎。
通称モリガンと呼ばれるこの男にも、ボクシング界の黒歴史と呼ばれるエピソードがあった。
――JKモリガン。
いくらか歴史上の偉人めいた二つ名――その名を知らない関係者はボクシング界にいない。明らかに悪名だが。
どちらかと言えば古風な名前の{森岩次郎|もり がんじろう}は、日本ランキング入りを果たしてから、王座挑戦への日を待っていた。
暗黒連打と呼ばれるマシンガンのような連打は、何人もの対戦相手をキャンバスに沈めてきた。まるで機関銃のような連打は、対戦相手を心理的に飲み込みながら、意識を削り取るように降り注ぐ拳のスコールだった。
森のサンドバッグ打ちは壮絶なものだった。
ボクサーにとって最もきついとされるトレーニングの内で、「バッグダッシュ」と呼ばれるものがある。
それは「サンドバッグ・ダッシュ」の略で、名前の通りサンドバッグを全速力で打ち続けるトレーニングだ。慣れない者がこのトレーニングに手を出そうものなら、ものの数ラウンドで嘔吐する。
ある程度手を抜こうと思えば出来なくもないが、そんな事をしようものなら、すぐにトレーナーの怒号が飛ぶ。
格闘技の世界は昭和のまま時代が止まった場所が少なくない。森はそのような環境で何ラウンドもバッグダッシュを行う事により、無尽蔵のスタミナを手に入れた。
通常そのような元気があり余った選手は、昔で言えばファイティング原田のように旺盛なスタミナを武器に快勝を進めていくところだが、森岩次郎の場合は残念な意味で違う方向へとその体力を発揮していった。
リングの上と同じように、森は夜の方も絶倫だった。性欲がボクシンググローブを付けていると言っても過言でないほど、その性欲は底なしに溢れていた。
JKモリガン――その名はジョン・ケネス・モリガン……などという高尚な呼び名ではなく、森が無類の女子高生(JK)好きである事から来た通り名だった。
森は何の躊躇いも無くJKを買う男だった。JK特有の放つ青春の匂いと、未成年にしか許されない制服が森の止めどない性欲を刺激した。
もはや目に映る女子高生が実際に端麗な容姿を持っていたかどうかは問題ではない。JKという記号に異常なまで妄執し、実際に手を出すのが森岩次郎だった。
通称モリガンと呼ばれるこの男にも、ボクシング界の黒歴史と呼ばれるエピソードがあった。
――JKモリガン。
いくらか歴史上の偉人めいた二つ名――その名を知らない関係者はボクシング界にいない。明らかに悪名だが。
どちらかと言えば古風な名前の{森岩次郎|もり がんじろう}は、日本ランキング入りを果たしてから、王座挑戦への日を待っていた。
暗黒連打と呼ばれるマシンガンのような連打は、何人もの対戦相手をキャンバスに沈めてきた。まるで機関銃のような連打は、対戦相手を心理的に飲み込みながら、意識を削り取るように降り注ぐ拳のスコールだった。
森のサンドバッグ打ちは壮絶なものだった。
ボクサーにとって最もきついとされるトレーニングの内で、「バッグダッシュ」と呼ばれるものがある。
それは「サンドバッグ・ダッシュ」の略で、名前の通りサンドバッグを全速力で打ち続けるトレーニングだ。慣れない者がこのトレーニングに手を出そうものなら、ものの数ラウンドで嘔吐する。
ある程度手を抜こうと思えば出来なくもないが、そんな事をしようものなら、すぐにトレーナーの怒号が飛ぶ。
格闘技の世界は昭和のまま時代が止まった場所が少なくない。森はそのような環境で何ラウンドもバッグダッシュを行う事により、無尽蔵のスタミナを手に入れた。
通常そのような元気があり余った選手は、昔で言えばファイティング原田のように旺盛なスタミナを武器に快勝を進めていくところだが、森岩次郎の場合は残念な意味で違う方向へとその体力を発揮していった。
リングの上と同じように、森は夜の方も絶倫だった。性欲がボクシンググローブを付けていると言っても過言でないほど、その性欲は底なしに溢れていた。
JKモリガン――その名はジョン・ケネス・モリガン……などという高尚な呼び名ではなく、森が無類の女子高生(JK)好きである事から来た通り名だった。
森は何の躊躇いも無くJKを買う男だった。JK特有の放つ青春の匂いと、未成年にしか許されない制服が森の止めどない性欲を刺激した。
もはや目に映る女子高生が実際に端麗な容姿を持っていたかどうかは問題ではない。JKという記号に異常なまで妄執し、実際に手を出すのが森岩次郎だった。
スポンサーサイト