「極地恋愛」書評
- 2022/09/16
- 01:07
いつか絶対に読んでやろうと思っていた「極地恋愛」を読了しました。いやあ、本当に面白かったです。
簡単にストーリーを説明すると、バカンスに行くはずだったやたらと大人びた高校生が海難事故に遭い、孤島に漂流して居合わせた女性3人とサバイバルをしていく話です。
これ以上はネタバレの危機があるのでストーリー上の説明は出来ないのですが、これがサバイバルだけではないのです。
比較するのもナンセンスかもしれませんが、同じノクターンノベルズ出身の「異世界ゆるっとサバイバル生活」では、あえて人間の持つ嫌な要素は前面に出さず、それが垣間見れたとしても現状は敵キャラだけに留めています。あちらはあちらでライトノベルに徹しているというか、あまり生きるために他の生命を奪わないといけないという現実にはフォーカスしません。「ゆるっと」じゃなくなっちゃいますからね(笑)。
ところがこちらの「極地恋愛」ではこれでもかと人間の嫌な部分、残酷な部分。生きる事への渇望や孤島の峻厳さなどが臨場感溢れる筆致で描かれていきます。そのまま映画に出来るのではないかとも思いました。
孤島という閉鎖空間に集まった男女。そこに欲望が生まれない方がおかしいのですが、性描写はそれほどなく、それだったら馳星周の「暗闇で踊れ」の方が遥かにエロかった気がいたします。
レビューで3周読んだという読者がいましたが、気持ちは分かる気がします。
そして本作は本当に救いが無いのですが(笑)、その救いの無さも振り抜いている感があってむしろ清々しいぐらいでした。こんなにすごい作品がWebで連載されていたのだと驚きました。この手の作品で公募を獲るのって、おそらく傾向的に難しいと思うのです。
それでWebでやったところが大きいのかなとも思ったのですが、1、2巻併せて文庫本2冊ぐらいの大ボリュームにも関わらず、長さをまったく感じない。仕事中にも続きが気になっているぐらいでした。
極めつけは2巻後半部分のアクションシーンというか、バトルシーンですね。これはもう圧巻というか、映画のように画が見えるスリリングな描写が続いて止まらなかったですね。
これは本当に読んでほしい。
本当にネタバレ防止で表層的な部分にしか触れられないのですが、本作では主人公の悲しい過去や人格形成、いつでも砕け散るような脆さを持った友情、親友とですら交わされる駆け引き、裏切り、そしてどんでん返しと、エンタメ小説に必要な要素がこれでもかと詰まっています。
オススメはマンガ版を読んで小説を読んでを交互にやると脳内の映像がさらに贅沢な感じになるので、そちらをやってみてはどうかと。
ちなみに個人的な好みはマンガ版の美菜ちゃんですね。まあ、色々とアレですけど……(笑)。本当にアレな人ですけど(笑)。
ノクターン出身とだけあってセルパブっぽい商業出版ですが、こういうここでしか読めない感のある小説と出会える瞬間って本当に素敵ですね。
簡単にストーリーを説明すると、バカンスに行くはずだったやたらと大人びた高校生が海難事故に遭い、孤島に漂流して居合わせた女性3人とサバイバルをしていく話です。
これ以上はネタバレの危機があるのでストーリー上の説明は出来ないのですが、これがサバイバルだけではないのです。
比較するのもナンセンスかもしれませんが、同じノクターンノベルズ出身の「異世界ゆるっとサバイバル生活」では、あえて人間の持つ嫌な要素は前面に出さず、それが垣間見れたとしても現状は敵キャラだけに留めています。あちらはあちらでライトノベルに徹しているというか、あまり生きるために他の生命を奪わないといけないという現実にはフォーカスしません。「ゆるっと」じゃなくなっちゃいますからね(笑)。
ところがこちらの「極地恋愛」ではこれでもかと人間の嫌な部分、残酷な部分。生きる事への渇望や孤島の峻厳さなどが臨場感溢れる筆致で描かれていきます。そのまま映画に出来るのではないかとも思いました。
孤島という閉鎖空間に集まった男女。そこに欲望が生まれない方がおかしいのですが、性描写はそれほどなく、それだったら馳星周の「暗闇で踊れ」の方が遥かにエロかった気がいたします。
レビューで3周読んだという読者がいましたが、気持ちは分かる気がします。
そして本作は本当に救いが無いのですが(笑)、その救いの無さも振り抜いている感があってむしろ清々しいぐらいでした。こんなにすごい作品がWebで連載されていたのだと驚きました。この手の作品で公募を獲るのって、おそらく傾向的に難しいと思うのです。
それでWebでやったところが大きいのかなとも思ったのですが、1、2巻併せて文庫本2冊ぐらいの大ボリュームにも関わらず、長さをまったく感じない。仕事中にも続きが気になっているぐらいでした。
極めつけは2巻後半部分のアクションシーンというか、バトルシーンですね。これはもう圧巻というか、映画のように画が見えるスリリングな描写が続いて止まらなかったですね。
これは本当に読んでほしい。
本当にネタバレ防止で表層的な部分にしか触れられないのですが、本作では主人公の悲しい過去や人格形成、いつでも砕け散るような脆さを持った友情、親友とですら交わされる駆け引き、裏切り、そしてどんでん返しと、エンタメ小説に必要な要素がこれでもかと詰まっています。
オススメはマンガ版を読んで小説を読んでを交互にやると脳内の映像がさらに贅沢な感じになるので、そちらをやってみてはどうかと。
ちなみに個人的な好みはマンガ版の美菜ちゃんですね。まあ、色々とアレですけど……(笑)。本当にアレな人ですけど(笑)。
ノクターン出身とだけあってセルパブっぽい商業出版ですが、こういうここでしか読めない感のある小説と出会える瞬間って本当に素敵ですね。
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