乳が揺れて非常に焦った話１

もう治ったから言える話なのですが、最近になって体に異変がありました。

朝起きて、食事を済ませると仕事へ。遅刻ギリギリまで寝ているので高速で歩くのが私のスタイルですが、体にものすごい嫌な違和感がありました。

なんだコレ？　と最初は気付かず、さっさと歩を進めましたが、歩いている内に違和感の正体に気付きました。

――明らかに、乳が揺れている。

いや、待て。そんなバカな。俺は男だろう。

そう自分に言い聞かせるも、それでも変わらず乳は揺れていました。

胸に手を当てると柔らかい。というか筋肉質なせいで女性のそれよりはゴムマリのような弾力がありました。

なんでやねん、と、ものすごい焦りました。

今さら帰るわけにも行かないし、帰ったところでどうなるものでもない。

不幸中の幸いは、動かなければ胸が胸板の形状を保ってくれている事。ですが、歩くと乳揺れがはじまり「おっぱい」と形容した方がしっくりくる形になります。

これは何なのでしょう？

TSくノ一忍法帖なんて書いていたから、自分の身体まで本当に女体化しはじめてしまったのか。いや、そんなアホな話が……。



いつも通勤時にすれ違うオッサンが私を見て一瞬フリーズしました。思わず「揺れてますよね？」と訊きそうになりました。

会社に来ました。揺れています。まだ揺れています。

さてどうしましょう？

困りはしましたが、上着を着ていれば目立たないので、そのようにしていました。

（つづく）