最近読んだ本
- 2019/05/15
- 17:00
王様のブランチで知って絶対に読もうというミーハーさをこじらせて購入。面白かった。
基本となる軸は何者と同じだが、現代日本の抱えている違和感の本質に「これだ」と堂々切り込んだ作品ってあんまり無い気がする。やはり睡眠時間を削って読んだ。
桐島~は個人的に正直まったく合わなかったが、見限らないで何者を読んで良かったなとつくづく思う。
芥川賞の村田沙耶香との共通点は人間をものすごく冷ややかな目で見ている側面がある事(笑)。一見大人しそうな印象の中で、相手の思考や計算を何もかも見透かしているような、炯炯とした観察眼が背後に見えるという印象か。
タイトルに釣られ、魔が差して買ってしまったが、存外によく出来た作品だった。
読みやすい上に構成もしっかりしていて、官能小説のくせに純愛という要素も外さない。実に心憎い作品だった。こういうのがあるからタイトル買いもやめられない。
読んでて思ったが、やはりパロディはこうでなくちゃと。
ただの亜流でなく、その一段二段上の仕掛けをしていく。それこそこういった作品の醍醐味だよなと妙に感心してしまった。
ただ楽しんで読むのはもちろんの事、個人作家が発想の柔軟さをパクるという視点で見ただけでも、本作は大いに読む価値がある。こういう試みこそインディーズでやってほしい。
今回は豊作。
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