よそ見パンチ
- 2018/11/22
- 17:00
さっさとこの浮浪者生活から逃れたい私は、ヘル・ワークの求人に応募する事にしました。これから何が起こるのか、ワクワクウキウキヲッチングでございます。
私が元いた世界とは違い、離職票やら住所登録などの諸準備をする必要はありませんでしたので、さっそく「毎日求人中。毎日死者が出るから」という勇者選別の就活に勤しむべく、王の住む城へと足を運ぶ事にしました。
試験会場も兼ねている城は無駄に堅牢な造りで、塀が二重に張り巡らされていました。この丈夫そうな石塀も、国民の血税から出来上がっているのかと思うとテンションが下がります。
さて、私は一刻でも早く王の前でその実力を示し、勇者の称号を得なければなりません。
さっさと城の中に入ろうとしたところ、門の前に陣取る守衛に速攻で止められました。
「なんだ貴様は?」と訊かれましたので、思わず喉元まで出かけた「なんだ君はってか(以下省略)」を飲み込み、「貴社の求人にありました、勇者の役職に募集したく存じます」と言いましたところ、「貴様のような乞食などいらん」と一喝されました。きっと汚らしい身なりをしていたせいでしょう。
ですがこちらとしてもせっかく見つけた食い扶持からやすやすと引き下がるわけにはいきません。先日には川魚に手を出し、やっとまともな食にありついたと思ったらクソまずかったものですから、野宿は諦めました。こちらとしても本気度が違います。
「そうですか。それならば本日はおいとまいたします」と申し上げましたところ、守衛が「二度と来るな!」と怒鳴ってあさっての方向を向きましたので、よそ見をしているところに渾身の右フックを喰らわせたのでございます。輪島功一の技術をマネしていて良かったと思います。
(参考資料7:36頃。本人の動画で分かりやすいものがありませんでした)
よそ見パンチをものの見事に受けた守衛は、ドサリと崩れ落ちて起き上がれませんでした。倒れ方がヤバそうな感じではございましたが、どのみちこのように脇の甘い守衛など解雇される運命でございます。
私は新任の守衛として、この男が着ていた鎧やら鎖かたびらを剥ぎ取り、近くにあった大きな木の根元に男の体を転がしておきました。
守衛の額に「肉」と書いて、毛だらけの汚らしいケツを蹴飛ばすと、私はランラン気分で城門へと入っていきました。
嗚呼、しかし、ここまで脇の甘い守衛に護られているお城など永くないな。
そんな事を思いながら大きな扉をくぐりました。他の兵士には「ウッス」と言っておいたら何も問題なく挨拶を返してくれました。全員クビにすればいいのに。
かくして私は勇者を選別するための試験へと足を運んだのでございます。
ようやく私にもチートでハーレムな生活を掴むチャンスが転がってきたようです。
早く美しいと聞く姫を抱きたいです。
私が元いた世界とは違い、離職票やら住所登録などの諸準備をする必要はありませんでしたので、さっそく「毎日求人中。毎日死者が出るから」という勇者選別の就活に勤しむべく、王の住む城へと足を運ぶ事にしました。
試験会場も兼ねている城は無駄に堅牢な造りで、塀が二重に張り巡らされていました。この丈夫そうな石塀も、国民の血税から出来上がっているのかと思うとテンションが下がります。
さて、私は一刻でも早く王の前でその実力を示し、勇者の称号を得なければなりません。
さっさと城の中に入ろうとしたところ、門の前に陣取る守衛に速攻で止められました。
「なんだ貴様は?」と訊かれましたので、思わず喉元まで出かけた「なんだ君はってか(以下省略)」を飲み込み、「貴社の求人にありました、勇者の役職に募集したく存じます」と言いましたところ、「貴様のような乞食などいらん」と一喝されました。きっと汚らしい身なりをしていたせいでしょう。
ですがこちらとしてもせっかく見つけた食い扶持からやすやすと引き下がるわけにはいきません。先日には川魚に手を出し、やっとまともな食にありついたと思ったらクソまずかったものですから、野宿は諦めました。こちらとしても本気度が違います。
「そうですか。それならば本日はおいとまいたします」と申し上げましたところ、守衛が「二度と来るな!」と怒鳴ってあさっての方向を向きましたので、よそ見をしているところに渾身の右フックを喰らわせたのでございます。輪島功一の技術をマネしていて良かったと思います。
(参考資料7:36頃。本人の動画で分かりやすいものがありませんでした)
よそ見パンチをものの見事に受けた守衛は、ドサリと崩れ落ちて起き上がれませんでした。倒れ方がヤバそうな感じではございましたが、どのみちこのように脇の甘い守衛など解雇される運命でございます。
私は新任の守衛として、この男が着ていた鎧やら鎖かたびらを剥ぎ取り、近くにあった大きな木の根元に男の体を転がしておきました。
守衛の額に「肉」と書いて、毛だらけの汚らしいケツを蹴飛ばすと、私はランラン気分で城門へと入っていきました。
嗚呼、しかし、ここまで脇の甘い守衛に護られているお城など永くないな。
そんな事を思いながら大きな扉をくぐりました。他の兵士には「ウッス」と言っておいたら何も問題なく挨拶を返してくれました。全員クビにすればいいのに。
かくして私は勇者を選別するための試験へと足を運んだのでございます。
ようやく私にもチートでハーレムな生活を掴むチャンスが転がってきたようです。
早く美しいと聞く姫を抱きたいです。
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