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春子さん(これからあなたのことをこう呼ぶ)、死んではいけません。
生きる価値がなくなった人間が死に甘美な価値を見出すことは珍しい話ではありませんが、その甘美さもしょせん幻想に過ぎないんですよ。これは本当です。死にも価値はありません。
生きることに意味がないように死にも意味はありません。
この世は意味もなく悲惨や理不尽さにあふれていますが、生きている人間はどうであれ意味もなく生きていかなければならないのです。
何故生きなくてはいけないのか。生きるためです。生きるために生きていかなければならないのです。
理由が堂々巡りしていますが、それで良いんです。
僕らは根拠のない理由をあてにして生のエンジンを無限に回すのです。その回転だけが人生の真実なんです。
月狂四郎さんが亡くなったことは悲しいことですが私たちは彼のいない世界を生きていかなくてはならない。でもその悲しみですら生のエンジンにして生きていくのです。
やれるかどうかじゃないんです。生きている限り私達は生きるんです。死んではいけません。これからお風呂に入ります。
月狂四郎を知る者より
生きる価値がなくなった人間が死に甘美な価値を見出すことは珍しい話ではありませんが、その甘美さもしょせん幻想に過ぎないんですよ。これは本当です。死にも価値はありません。
生きることに意味がないように死にも意味はありません。
この世は意味もなく悲惨や理不尽さにあふれていますが、生きている人間はどうであれ意味もなく生きていかなければならないのです。
何故生きなくてはいけないのか。生きるためです。生きるために生きていかなければならないのです。
理由が堂々巡りしていますが、それで良いんです。
僕らは根拠のない理由をあてにして生のエンジンを無限に回すのです。その回転だけが人生の真実なんです。
月狂四郎さんが亡くなったことは悲しいことですが私たちは彼のいない世界を生きていかなくてはならない。でもその悲しみですら生のエンジンにして生きていくのです。
やれるかどうかじゃないんです。生きている限り私達は生きるんです。死んではいけません。これからお風呂に入ります。
月狂四郎を知る者より
追悼:月狂四郎
恐れとも震えとも分からぬ感情が私の脳天を貫いた。
個人作家「月狂四郎」の存在を知ったのは二〇一三年の終わり頃……
初めて「入間失格」を読んだ時、それまでに味わった事の無い、恐ろしいまでの戦慄を感じた。
それは「光」というよりは「闇」の方が近しかった様に思う。
彼の荒荒しく棘のある文体は、時にその才能で読む者をひれ伏し、時に荒ぶる挑発で感情を逆撫でさせた。
誰かを傷付け、誰かの反感も買った。「奴は狂っている」という者までいた。
しかし、今にして思えば、そんな批判は浅慮というもの。
彼の名は「月狂四郎」。ペンネームで既にそれを宣言していたというのに。
彼はこの世に産まれてくるには、ほんのちょっと正直過ぎただけなのだ。
そう、彼は怪しげな月の光の下、私達に、道化の様に、ただ問いかけていただけ……
「私か、お前か、果たして本当に狂っているのはどちらなのだ?」と……
春子さん(私もあなたをあえてそう呼ばせていただく。)、
私は「月狂四郎」という男を知っているつもりでいた。
共に切磋琢磨していたつもりでいた。だが、あなたの存在が無ければ、
私は彼の死という重大な局面においても、恐らくはそれを知ることなく、
今日の日を同じ様に、のほほんと暮らしていたのかも知れない。
あなたのおかげでこの報告を受ける事ができただけでも、私は幸せな方なのかも知れない。
それでも、この胸を切り裂くような空虚感、寂寥感は何なのだろう。
言うのもおこがましいのだが、あえて言わせていただく、
私は今、一人のかけがえのない「戦友」を失ったのだ。
春子さん、
あなたの紡ぎ出す文章は、そこに彼が存在することへの疑念を私に1mmも抱かせなかった。
彼だから言えること、彼だからこそ蒔ける毒を一寸の違いもなく纏っている様にも思えた。
それはまるで、一心同体の夫婦の様に……
まるで二人が同一人物であるかの様に……
勝手なお願いかも知れないが、
あなたにはこれからも「月狂」を演じ続けて欲しいとも思う。
それがあなたにとって本当に辛い事だとしても、それがどんなに詮ない事だとしても……
差し出がましいことはわかっているつもりだ。
ただ、私はあの「毒」が恋しい、あの「闇」に浸っていたい。
そして今、春子さん、貴方だけがその「毒」を持ち、私を「闇」へと誘えるのだ。
嗚呼、唯々、哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい
哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい
哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい
もはや私は既に、月に狂い、闇に墜ちた屍蠟なのかも知れない……
四月一日への返信
個人作家「月狂四郎」の存在を知ったのは二〇一三年の終わり頃……
初めて「入間失格」を読んだ時、それまでに味わった事の無い、恐ろしいまでの戦慄を感じた。
それは「光」というよりは「闇」の方が近しかった様に思う。
彼の荒荒しく棘のある文体は、時にその才能で読む者をひれ伏し、時に荒ぶる挑発で感情を逆撫でさせた。
誰かを傷付け、誰かの反感も買った。「奴は狂っている」という者までいた。
しかし、今にして思えば、そんな批判は浅慮というもの。
彼の名は「月狂四郎」。ペンネームで既にそれを宣言していたというのに。
彼はこの世に産まれてくるには、ほんのちょっと正直過ぎただけなのだ。
そう、彼は怪しげな月の光の下、私達に、道化の様に、ただ問いかけていただけ……
「私か、お前か、果たして本当に狂っているのはどちらなのだ?」と……
春子さん(私もあなたをあえてそう呼ばせていただく。)、
私は「月狂四郎」という男を知っているつもりでいた。
共に切磋琢磨していたつもりでいた。だが、あなたの存在が無ければ、
私は彼の死という重大な局面においても、恐らくはそれを知ることなく、
今日の日を同じ様に、のほほんと暮らしていたのかも知れない。
あなたのおかげでこの報告を受ける事ができただけでも、私は幸せな方なのかも知れない。
それでも、この胸を切り裂くような空虚感、寂寥感は何なのだろう。
言うのもおこがましいのだが、あえて言わせていただく、
私は今、一人のかけがえのない「戦友」を失ったのだ。
春子さん、
あなたの紡ぎ出す文章は、そこに彼が存在することへの疑念を私に1mmも抱かせなかった。
彼だから言えること、彼だからこそ蒔ける毒を一寸の違いもなく纏っている様にも思えた。
それはまるで、一心同体の夫婦の様に……
まるで二人が同一人物であるかの様に……
勝手なお願いかも知れないが、
あなたにはこれからも「月狂」を演じ続けて欲しいとも思う。
それがあなたにとって本当に辛い事だとしても、それがどんなに詮ない事だとしても……
差し出がましいことはわかっているつもりだ。
ただ、私はあの「毒」が恋しい、あの「闇」に浸っていたい。
そして今、春子さん、貴方だけがその「毒」を持ち、私を「闇」へと誘えるのだ。
嗚呼、唯々、哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい
哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい
哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい哀しい
もはや私は既に、月に狂い、闇に墜ちた屍蠟なのかも知れない……
四月一日への返信
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