オッサンの進捗報告
- 2021/04/30
- 15:12
新作の執筆時間がちょっと出来たので結構進めました。昨年末あたりから書き始めて今は62,000字ぐらい。だんだん終わりには近くなってきたのですが、オチをどうするのかまだ決めていない(笑)。どう終わらせるのが一番いいのかなと結構迷っています。タイトルはおそらく「愛の惨禍」になるでしょう。「愛の賛歌」のもじりですね。あとは移動時間を中心にひたすらNEMOPHILAを聴いていますね。初見で世界的な成功を確信したバンドと...
「地球星人」書評
- 2021/04/30
- 02:26
地味に待っていた「地球星人」の文庫版を書店で見つけたので買いました。期待通りのクレイジー紗耶香でした(笑)。 ストーリーをざっくり説明すると主人公の奈月(なつき)の幼少時代から始まります。奈月はいとこの由宇(ゆう)と仲良し。ですが、二人ともちょっと頭がおかしい(笑)。幼少期にほほえましい結婚の約束をした二人は、ある日双方の家で家族会議になりかねない大事件を起こして引き離されます。地元に戻された奈...
新作の断片
- 2021/04/29
- 10:38
♂ 映画館でパニックホラーを観る時、登場人物たちはなんであんなにバカなんだろう? と思っていた。 目の前にバケモノがいるのに逃げない。逃げださない。逃げなければ喰われるだけなのに。 だが、自分がその立場になって初めて分かった。これは、動けない。 目の前に迫る「彼女」。疑いようもない、思い出の亡霊。見えなかったことにしてきたものが、否定しようのない距離まで近付いてくる。 面影はある。幼いまま時...
新作の断片
- 2021/04/28
- 01:34
♀ えっ……。 思わず、エルメスを手落とした。 少し離れたところで佇む彼。さすがに年は取ったけど、優しい目はかわらない。 だけど、その周囲に見たくないものが映りこんできた。 子ども。 子ども。は? は? は? は? は? は? 子ども? どういうこと? ねえ、なんで子どもなんているの? その子は知らぬ間にわたしが産んだ子じゃないよね? どこかの山で拾ってきた子でもないよね? ねえ、説明してよ。...
新作の断片
- 2021/04/27
- 01:22
♂ 悪寒がした。理由は分からない。 日曜日の公園。しばらくぶりに娘を連れてやって来た。 こういう瞬間があると、家族がいるというのはいいなと思う。社会人になってすぐの頃、子供の何がかわいいのかさっぱりわからなかった。洟を垂らし、ギャーギャーわめき、あちこちを走り回って周囲を心配させる。あの生き物たちのどこにかわいさがあるのだと心底思っていた。 だけど、自分が子供を持って価値観が変わった。 腕の...
新作の断片
- 2021/04/26
- 00:23
♀ だいぶ年は取ったけど、わたしはウキウキしながら服を選んでいた。 ――彼の居場所をつきとめた。彼に会える。 夢みたい。あの時の約束がこんな形で叶うなんて。 あの時と比べてだいぶシワは増えたけど、あの時と比べて身体のラインはだいぶ丸くなったけど、時の流れはただ残酷なだけじゃなかった。それを考えるだけで涙が出そうになるくらいうれしくなった。 ああ、なんかシンデレラみたいだな。 苦労して苦労して、...
NEMOPHILAにハマるオッサン2
- 2021/04/24
- 23:53
まだNEMOPHILAばっかり聴いています。最近だと見た瞬間に世界で活躍する事を確信したバンドですね。今回はカバー動画を紹介します。これでテンション上がらないメタルファンはいないでしょう(笑)。リンキンでここまで忠実にカバー出来る人なんて海外でもいないんじゃないですかね?これは海外フェスで絶対人気出ますよ。...
新作の断片
- 2021/04/24
- 00:55
「……なんて言った?」「彼女は、生まれる場所を間違えただけの」「そこじゃない」 心拍数が上がる。「どこよ?」「その前」「アリエルちゃんは……」「アリエルちゃん?」「ああ。彼女のハンドルネーム。もしかして、知り合い?」「いや……」 言葉に詰まる。 ――アリエル。 「彼女」がいない時に抱いた女の源氏名。 まさか……。 いや、まさかな。 それは考え過ぎだ。 考え過ぎだと思いたい。 ありえない。そんなことはあっては...
NEMOPHILAにハマるオッサン
- 2021/04/22
- 00:45
先日動画を載せたNEMOPHILAが想像以上に良くてハマっています。普通に一日10回以上聴いています。メロディーがカッコいいし、王道感あるし、変にプログレに走っていない(笑)。そしてメンバー全員かわいい(笑)。これ大事。本当大事です。...
新作の断片
- 2021/04/21
- 01:05
♀ 彼をたぶらかして、それとなく情報を引き出した。 バカで扱いやすい男だった。 わたしは自分の半生を語る。不幸で、いたいけな女。 でも、同じ「仕事」で触れ合ってきた仲間を見てきて、わたしは自分が本当に不幸なのかと疑うようになった。 下には下がいた。きっと、さらにその下に位置するかわいそうな女の子だって絶対にいるんだって思う。 だけど、不幸コンテストで優勝したところで何かが変わるわけじゃない。...
新作の断片
- 2021/04/20
- 00:59
彼のおおよその住所を割りだしたわたしは、さらに正確な情報を得るべく調査を続けた。 Faithbookには友達機能がある。 ある人のアカウントがあって、その人の友達はだいたい公開されている。そういう人たちを見ていくと、どんな人と付き合っているのか、おおよその交友関係が見えてくる。 これをお店にいた時に使えば良かったな、なんて思うぐらい。 メッセージのやり取りを見ていると、その人の人物像が不思議なほどに見え...
「愛されなくても別に」書評
- 2021/04/18
- 23:55
講談社文芸第二出版部のツイッターアカウントを覗いていて洗脳されたのか(笑)ずっと気になっていた武田綾乃著「愛されなくても別に」を読了しました。ストーリーをざっくり説明すると、物語の冒頭は大学生の宮田陽彩(みやた ひいろ)が本分の大学生活そっちのけで働きまくるところから始まります。下手な社会人よりもバイトで働きまくって稼いだお金のうち8万円は家に入れています。幼少期に両親が離婚して母親に育てられた彼...
新作の断片
- 2021/04/17
- 01:01
「なんか痩せました?」 事務員の川原さんが心配そうな眼で俺の顔を覗き込む。 辞書で「かわいい」の図表にそのまま使えそうな会社のアイドル。普段なら心の中で自分の幸運を神に感謝しないといけない瞬間なのに、俺の心はひたすらどんよりしていた。 理由は明らかだ。 「彼女」が近くにいる。 少し前の俺は、仕事のことばかり考えていた。 だが今はどうだ。怖いのが半分、恐ろしいのが半分という心境。 ああ、ガッツ石松よ...
新作の断片
- 2021/04/14
- 16:37
神よ、あなたは私を赦す気が無いのですか? キリスト教徒でもないのに、殉教者めいた言葉が口をついて出る。 アクセス履歴を確認する。ここでは訪問してきたユーザーのIPアドレス――つまりはネット上の住所のようなものをチェックする。 彼女のそれを見つける。地方在住者と推測させる市町村をローマ字にしたような英字の配列……。なんてこった。昔懐かしい、かつての勤務地。こりゃ本物の可能性が高いぞ。 思い出は思い出の...
出すか出さないか微妙な新作の断片
- 2021/04/13
- 02:00
――紫乃です。 ここまで来るともうホラーだった。 思い出のままだったらいつまでも愛しい恋人だったはずなのに。 なぜだ? なぜあんたはこのタイミングで出てきた? 恐怖に顫える。息遣いがまた荒くなり、この先の未来が脳裏をよぎると寒気がした。 コメントを削除する。 顫える指。唇。膝。つまるところガクブル。 彼女の存在が嫁にバレたらどうなる? こ ろ さ れ る ☆ 当たり前だ。 それ以外の何があるという...
出すか出さないか微妙な新作の断片
- 2021/04/12
- 00:32
コメント欄には俺を称賛する声、声、声。いったいどこの宗教なんだ? 俺なんぞを称賛したところで一円の得にもならないだろうに。 コメントを眺めていくうちに、明らかに浮いた文言が目に飛び込む。 ――紫乃です。 見た瞬間に、心拍数が一気に上がったのが分かった。 俺の黒歴史を象徴する名前。 無かったことにされていた過去が咲かなくてもいい花を芽吹かせている。 マジか。 これは本人なのか。 彼女の話を仕事関係...
これはカッコいい
- 2021/04/10
- 01:10
記事を更新するというほどでもないんですけど、これはマジでカッコいいのでぜひ聴いてもらいたいです。言葉はいらないですね。普通にもう日本に外タレいらねえとか思いました(笑)。...
出すか出さないか微妙な新作の断片
- 2021/04/09
- 00:56
だから俺は過去を無かったことにした。妻が初めての異性で、俺は純愛しか知らない。俺に女の味を覚えさせた先輩などいない。名乗り出たところで、今の権限でどこかに飛ばしてやる。 そう、俺は新しい人間。 新しい人間なんだ。 だが、その一方で俺は気付いていたのだと思う。 俺が俺自身に語る言葉の一言一句が、これから起こる惨禍の前フリであり、死亡フラグでしかないことに。...
出すか出さないか微妙な新作の断片
- 2021/04/08
- 17:00
人生というものはある瞬間を機にして一気に変わることがある。 栄転先で仕事を続け、気付けば俺は結婚していた。 妻は仕事の関係で紹介された女(ひと)だった。 芯が強く、俺のダメなところをはっきりとダメと言ってくれる。未来のパートナーにするにはぴったりの人材だった。 夢から覚めるとあっさりしたものだ。あれだけ心に巣くい、消えなかった切なさは愛情という水に薄められてすっかりと消えてしまった。恋は盲目とい...
近況報告
- 2021/04/07
- 17:00
ちょっとだけ書ける時間ができたので47,000字ぐらいまで進みました。完成まではまだまだあるのかなという事で、このまま毎日400字は最低ラインで続けていこうかと。オチもどうするか少し迷っているんですよね。そういう意味では新作の断片は出さない方が良かったのかも?試験的にやってやっぱりなと思ったのですが、書評記事を書いた後に「レビューの書き方」のアフィリエイトのリンクを貼ったらすぐ売れました。あれは放っておい...
出すか出さないか微妙な新作の断片
- 2021/04/07
- 01:21
「おめでとう。この年で所長なんて異例だぞ。私も鼻が高いよ」 にこやかに笑う上司。周囲から注がれる羨望の目。 だけど俺は少しも幸せじゃなかった。 ――栄転。彼女に会ってから驚異的な勢いで個人的な業績を伸ばした俺は、その実力を認められて他県の営業所長に任命された。会社史上でも指折りの出世らしい。 だが、同時にそれは彼女との別れも意味していた。 遊びのはずだった。 たかだか「練習台」のはずの女だった。 な...
出すか出さないか微妙な新作の断片
- 2021/04/06
- 01:10
とても嫌な思いを何度もした。 同期の女性社員の前では童貞であることを何度も公言され、男としての価値が無いかのように扱われた。 ――幹部候補? ただの童貞だろ? 嘲りを含んだ笑いが居酒屋に響く。哄笑。やさしい哀れみを含んだ女子社員の苦笑い。 すべて壊れてしまえと思った。 そんなに童貞で悪いのか。 童貞は犯罪者なのか。 教師や親には貞淑であることをことさらに重要な要素として叩き込まれてきた。 あれは偽...
出すか出さないか微妙な新作の断片
- 2021/04/03
- 01:13
瞬く間に営業のトップに昇りつめた俺は、一種の寂しさも感じていた。 ――俺は、家族というものをよく知らない。 公園で楽しそうに子供の相手をする親子を見ると、いつも胸がしめつけられる思いだった。 俺もあんな幸せを得る権利があったのだろうか? そして、俺はまだ見ぬ我が子にそれを与えることが出来るのか? 自分が得ることの出来なかったものを。 考えれば考えるほど不安になった。 仕事はいい上司に恵まれたおかげ...
出すか出さないか微妙な新作の断片
- 2021/04/02
- 00:58
友人の「お墨付き」でその土建屋に就職した。 明らかにその筋の人間もいたが、黒い社会へは行かなかった。もう塀の向こう側には行きたくない。それが本音だった。 社長は人格者だ。それだけは間違いない。 しょっちゅう怒鳴られてきたが、彼は決して俺を見捨てなかった。 現場仕事の何たるかも知らない俺に住む場所を与え、労働で得られる喜びを与えてくれた。 社会に貢献出来ないと思い知らされた人間は非行に走る。 自分...