星新一賞で自粛したド下ネタ
- 2016/12/07
- 01:04
星新一賞で、さすがに「ねーわ」と自粛したネタがあります。
同賞では未来を描くという事で、流行りのVR(仮想現実)を取り込んでみようかと画策しました。それで色々と陳腐なアイディアを巡らせていたのですが、一番キレのあるネタが「どう考えても受賞は無いだろう」という事でボツにした。
が、勿体無いのでいっそここで発表します。
なお、以下のアイディアと似たような要素を盛り込んだ作品が3月発表の佳作あたりに引っかかっても私には一ミリも責任はございません(笑)。
それではあらすじへ。
――時はそう遠くない未来。
VRで色々な訓練が出来るという事で、料理教室から軍事訓練までVRで訓練するコモンセンスが広がっています。
それで、未来の人は今以上に主体性が無くなっているので、学校教育では正しいデートから夜の営みまでをしっかりとコーチしてくれるプログラムが存在しているわけです。
国の本音としては、ますます勢力を伸ばしている2次元女性傾倒への対策で――彼女達には3次元の女とは違って裏表が無いのです――若い男性がこぞって2次元ガールに走る機会を減らすためです。
もっと言うと、日本から童貞を無くすのが裏の主目的となるわけですね。ノーモア・ウォー、ノーモア童貞。ストップ・ザ・少子化でございます。
それで、ある平凡な学校に場面は切り替わり、ヘッドギアみたいな装具を付けた中学生が出てきます。まさかの義務教育です(笑)。
授業ではVRの異性が手ほどきをして、子供と大人の中間にいる少年少女に無理なく大人への階段を登らせていきます。ギアを付けた少年少女はアハーンウフーンな経験を個々でするわけです。
隣の友人が射精していようが知ったこっちゃありません。この時代ではさらに個人の自由が尊重されているからです。射精を指摘しようものならネットで火あぶりにされてしまいます。
それで「変に自信を付けた」中学生が、VRではなく、現実でのセックスを試みるわけですね。経験も無いくせにVRのお陰で自信満々になっているわけです。
ところが、いざベッドインしてみると、これが上手くいかない。
何をやっても「いいね」しか言わないVRの女の子とは違い、お相手となった生身の女子は雑な枕運びに怒り心頭です。VRでは賞賛の言葉が返ってきましたが、現実では罵倒とパンチが飛んできます。
挫折を味わった男子は無力感を噛み殺し、ベランダでタバコを吸ってみます。とは言っても、タバコはあくまでファッションなのでむせてしまいます。空を見上げると、心なしかVRの空より広く見える。
「自分は教えられた通りにやっただけなのに、なぜこんな目に遭わないといけないのか?」
その問いには誰も答えてくれず、夕日の向こうにはカラスの影がちらついただけでした。
そして熟考の末、男子生徒はある結論を出します。
……VRの女は裏切らないと(笑)。
結局政府が忌避した2次元ガールは、3次元のVRガールに替わっただけでした。
というオチですね。まあ、まんま私の作品ですね(笑)。きっと電書ちゃんあたりにもそう言われるでしょう。
本作ではテンプレ化する現代社会やら教育の失敗、主体性を無くしていく日本人などを未来というフィルターを通じてディスってやろうと思っていましたが、これじゃどんなに面白く書いても受賞は無いなと(笑)。
なんていう、文学って、社会が変な方向に行きそうになったら牽制球を投げる役割もあると思うんですよ。
ですが、こういった文学賞はなるべくポジティブに書かないと受賞は難しいんですね。それを分かっていてそんな作品ばかり書く私も問題ですが(笑)。
そういう意味では第2回の大賞は「よくぞ選んでくれた!」という思いですね。
(ディストピア的な作品でした。無料で読めますのでぜひ)
さて、現代社会を斬るのも楽じゃないですよ。
最近の人は本が読めなくなっているので、体の一部を切られても気付かずに泳いでいる魚みたいに鈍感ですから。
彼らは自分が斬られているのにそれが他人事だと思っているのです。
それが私達が相手にしないといけないお客様というわけです。
現代の売れ線がわざとらしいくらい露骨にならざるを得ないのも、ある意味仕方のない事かもしれませんね。
(水曜の午後5時あたりまで無料)
同賞では未来を描くという事で、流行りのVR(仮想現実)を取り込んでみようかと画策しました。それで色々と陳腐なアイディアを巡らせていたのですが、一番キレのあるネタが「どう考えても受賞は無いだろう」という事でボツにした。
が、勿体無いのでいっそここで発表します。
なお、以下のアイディアと似たような要素を盛り込んだ作品が3月発表の佳作あたりに引っかかっても私には一ミリも責任はございません(笑)。
それではあらすじへ。
――時はそう遠くない未来。
VRで色々な訓練が出来るという事で、料理教室から軍事訓練までVRで訓練するコモンセンスが広がっています。
それで、未来の人は今以上に主体性が無くなっているので、学校教育では正しいデートから夜の営みまでをしっかりとコーチしてくれるプログラムが存在しているわけです。
国の本音としては、ますます勢力を伸ばしている2次元女性傾倒への対策で――彼女達には3次元の女とは違って裏表が無いのです――若い男性がこぞって2次元ガールに走る機会を減らすためです。
もっと言うと、日本から童貞を無くすのが裏の主目的となるわけですね。ノーモア・ウォー、ノーモア童貞。ストップ・ザ・少子化でございます。
それで、ある平凡な学校に場面は切り替わり、ヘッドギアみたいな装具を付けた中学生が出てきます。まさかの義務教育です(笑)。
授業ではVRの異性が手ほどきをして、子供と大人の中間にいる少年少女に無理なく大人への階段を登らせていきます。ギアを付けた少年少女はアハーンウフーンな経験を個々でするわけです。
隣の友人が射精していようが知ったこっちゃありません。この時代ではさらに個人の自由が尊重されているからです。射精を指摘しようものならネットで火あぶりにされてしまいます。
それで「変に自信を付けた」中学生が、VRではなく、現実でのセックスを試みるわけですね。経験も無いくせにVRのお陰で自信満々になっているわけです。
ところが、いざベッドインしてみると、これが上手くいかない。
何をやっても「いいね」しか言わないVRの女の子とは違い、お相手となった生身の女子は雑な枕運びに怒り心頭です。VRでは賞賛の言葉が返ってきましたが、現実では罵倒とパンチが飛んできます。
挫折を味わった男子は無力感を噛み殺し、ベランダでタバコを吸ってみます。とは言っても、タバコはあくまでファッションなのでむせてしまいます。空を見上げると、心なしかVRの空より広く見える。
「自分は教えられた通りにやっただけなのに、なぜこんな目に遭わないといけないのか?」
その問いには誰も答えてくれず、夕日の向こうにはカラスの影がちらついただけでした。
そして熟考の末、男子生徒はある結論を出します。
……VRの女は裏切らないと(笑)。
結局政府が忌避した2次元ガールは、3次元のVRガールに替わっただけでした。
というオチですね。まあ、まんま私の作品ですね(笑)。きっと電書ちゃんあたりにもそう言われるでしょう。
本作ではテンプレ化する現代社会やら教育の失敗、主体性を無くしていく日本人などを未来というフィルターを通じてディスってやろうと思っていましたが、これじゃどんなに面白く書いても受賞は無いなと(笑)。
なんていう、文学って、社会が変な方向に行きそうになったら牽制球を投げる役割もあると思うんですよ。
ですが、こういった文学賞はなるべくポジティブに書かないと受賞は難しいんですね。それを分かっていてそんな作品ばかり書く私も問題ですが(笑)。
そういう意味では第2回の大賞は「よくぞ選んでくれた!」という思いですね。
(ディストピア的な作品でした。無料で読めますのでぜひ)
さて、現代社会を斬るのも楽じゃないですよ。
最近の人は本が読めなくなっているので、体の一部を切られても気付かずに泳いでいる魚みたいに鈍感ですから。
彼らは自分が斬られているのにそれが他人事だと思っているのです。
それが私達が相手にしないといけないお客様というわけです。
現代の売れ線がわざとらしいくらい露骨にならざるを得ないのも、ある意味仕方のない事かもしれませんね。
(水曜の午後5時あたりまで無料)
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それは、押し付けられた沈黙ですか? サイレントマジョリティから見る社会の歪(意識高い系) ホーム
人の作品に「手垢のついた作風」という評価を下しておきながら、「もっと◯◯みたく先鋭的に〜」という対案を出す人間は何なのだろう? 遠回しに「自分みたいになるな」と言いたいのだろうか? だとすれば、彼の献身に私は心から感謝しないといけない。(さっき考えた箴言)