「名無しの挽歌」coming soon!

　俺は彼女で、彼女は俺だ。俺は文学賞に落ちたら電子書籍にシフトしていった。それは作家のキャリアを続けたかったからだ。いつまでも観客のいない芝居なんぞやりたくなかったのだ。

　――これは負け犬の物語だ。
　無気力な大学生だった俺は、何を血迷ったのか、作家を目指すという過ちを犯した。不遇時代を過ごす中、才能溢れる仲間達が次々と挫折を味わい消えていく。不条理なこの世界に、俺達の居場所はあるのか……？
　もう一度言おう。これは負け犬の物語、敗残者の悲鳴で綴られた記録。
　こんなゴミでも世界に貢献出来る何かがあるとすれば、それは辛酸を舐めてきた日々をちょっとした娯楽として提供する事ぐらいだろう。世の中にはこんなに無様な姿を曝しても生きていける人間がいるのだと、少しはあんたらのセラピーにもなるだろう。
　何度でも言おう。これは負け犬の物語だ。そして名無しの挽歌なのだ。
　俺が歩んできた痛みの物語を、その目にしっかりと焼き付けるがいい。
　あんたにも俺の悲鳴が聞こえるだろう。
　あんたにも名無しの慟哭が聞こえるだろう。
　それこそ、あんたが求めている物語だろう？
　なら読めよ。
　その悲鳴は、きっとあんたと共鳴出来るだろうから。