「悪人の系譜」断片
- 2015/12/26
- 00:29
(新作の「悪人の系譜」から一部抜粋します)
震えながら、ドアの鍵が開けられないよう抵抗する。指先でサムターンを押さえて、外から加わる力を食い止める。
でも、やっぱり向こうは男だったせいか、あたしがどんなに指へ力を入れても、サムターンはゆっくりと回っていく。回されていく。
「見いつけた」
最高に気色悪い笑顔を見せながら、叔父がドアの隙間から顔を出した。人生でこれよりもビビる瞬間ってもう来ないんじゃないか、なんて思うくらい。
あたしは喉の奥からか細い悲鳴を上げつつ抵抗する。だけど、叔父はあたしの手首をブラウスの上から掴んで引っ張り、ベッドに押し倒した。あたしは制服姿でベッドに「出」の字みたいに転がされる。
「嫌……嫌!」
「何が嫌なんだい? これは君が大人になるための訓練なのだよ?」
そういうと、叔父の唇が乱暴にあたしのそれへと押し付けられる。やめて、本当にやめて、お願い!
抵抗するも、生暖かい舌はあたしの口内をぬめっと這いずり回る。まるで、欲望の捌け口を探すように。
必死になってもがいていると、一瞬だけ頭の中が白くなる。叔父の平手が、あたしの頬を直撃したのだ。
「こんなに大事に育ててやったのに。私を拒むとはどういうことだ!」
叔父は本気で怒っているようだった。本当に何なの? 狂ってる……。
左右から繰り出されるビンタはあたしの頬を何発も打ち、その威力で次第に抵抗する気も失せてくる。
「やめて、お願い。お願いだから……」
恐怖に目を瞑ると、暗闇の向こうから{喘嗚|ぜいめい}が聞こえてくる。それは間違いなく、人の血など流れていないケダモノの息遣いだった。
「助け……」
その先を発しようとした唇は、ケダモノの汚らしい口付けで塞がれる。
やめて、あたしが、壊れる。
震えながら、ドアの鍵が開けられないよう抵抗する。指先でサムターンを押さえて、外から加わる力を食い止める。
でも、やっぱり向こうは男だったせいか、あたしがどんなに指へ力を入れても、サムターンはゆっくりと回っていく。回されていく。
「見いつけた」
最高に気色悪い笑顔を見せながら、叔父がドアの隙間から顔を出した。人生でこれよりもビビる瞬間ってもう来ないんじゃないか、なんて思うくらい。
あたしは喉の奥からか細い悲鳴を上げつつ抵抗する。だけど、叔父はあたしの手首をブラウスの上から掴んで引っ張り、ベッドに押し倒した。あたしは制服姿でベッドに「出」の字みたいに転がされる。
「嫌……嫌!」
「何が嫌なんだい? これは君が大人になるための訓練なのだよ?」
そういうと、叔父の唇が乱暴にあたしのそれへと押し付けられる。やめて、本当にやめて、お願い!
抵抗するも、生暖かい舌はあたしの口内をぬめっと這いずり回る。まるで、欲望の捌け口を探すように。
必死になってもがいていると、一瞬だけ頭の中が白くなる。叔父の平手が、あたしの頬を直撃したのだ。
「こんなに大事に育ててやったのに。私を拒むとはどういうことだ!」
叔父は本気で怒っているようだった。本当に何なの? 狂ってる……。
左右から繰り出されるビンタはあたしの頬を何発も打ち、その威力で次第に抵抗する気も失せてくる。
「やめて、お願い。お願いだから……」
恐怖に目を瞑ると、暗闇の向こうから{喘嗚|ぜいめい}が聞こえてくる。それは間違いなく、人の血など流れていないケダモノの息遣いだった。
「助け……」
その先を発しようとした唇は、ケダモノの汚らしい口付けで塞がれる。
やめて、あたしが、壊れる。
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