水面下の攻防~お試し版の危機~
- 2015/07/24
- 23:56
先日、私がマネジメントを管理している毒牙姐さんの作品について、Amazonカスタマーサービスからこんなメールが……。
以下Amazonカスタマーサービスからのメールを引用
Amazon KDPをご利用いただき、ありがとうございます。
お客様のKDPカタログの品質審査を実施したところ、以下の本のタイトルに、不要な記述が含まれていることが判明しました。
泡姫ありえない お試し版 (ASIN: B00MKBQ91G)
お客様の本のタイトル項目に、実際の本のタイトルには含まれない余分な記述が含まれており、Kindleストア利用者の混乱または誤解を招く恐れがあります。タイトル項目には、本の表紙や背表紙に表示される実際のタイトルだけを含める必要があります。たとえば、タイトル項目で、他の著者やタイトルについて無断で言及したり、広告や売上ランキングに関する語句を含めたりすることは禁止されています(ただし、必ずしもこれらに限定されません)。本やその内容を示す情報は本の説明に含めることができます。当社が提供するメタデータガイドライン(https://kdp.amazon.co.jp/self-publishing/help?topicId=A294SHSUYLKTA6) を確認し、ストア利用者の誤解を招かないようなタイトルを付けてください。
5営業日以内に、上記タイトルのほか、お客様のカタログで該当する本をすべて修正し、出版用に再提出してください。期限内に修正いただけない場合は、Kindleストアでの本の販売を差し止めさせていただきます。Kindleダイレクト・パブリッシング 利用規約では、お客様が当社に提供するすべてのメタデータは最新、完全、かつ正確であることが求められます。利用規約に何度も違反すると、お客様のKDPアカウントは停止されるか、オプションのKDPサービスにアクセスできなくなる可能性があります。
お客様により満足していただけるサービスをご提供できるように努めてまいります。今後ともKDPをよろしくお願いいたします。
(引用ここまで)
「わたし。 お試し版」についても同様のメールが来ていました。
要はアレですね。「オイオイ兄さん、Kindle本に関係ない記述がタイトルにありまっせ」という事ですね。
なんとなくですが、このタイミングでこういうクレームが来たのは作為的なものを感じるなと思った私は(だって規約に違反なんかしてませんからね)以下の返信を送ってみました。
上記の二作品ですが、「実際の本のタイトルには含まれない余分な記述」とは具体的に何を指すのでしょうか? ご教授をお願いします。
規約も拝見しましたが、一体どこの部分に抵触しているのかが明白に分かりません。
「お試し版」という記載でしたら両作品ともタイトル、内容に記入してありますし、表紙・商品説明にもその旨を記載してあります。
実際に商品のご確認はされましたでしょうか?
もしこのメールが所謂通報に基づくものでしたら、これは事実とは異なる威力業務妨害に当たらないでしょうか?
仮にこの作品を通報した方がいたとして、上記の「実際の本のタイトルには含まれない余分な記述」を第三者に分かるよう提示出来ないのであれば、その方のアカウント剥奪も含めた厳しい措置が必要ではないかと思います。
(KDPで出版している人で住所等の情報が一致する場合はその作家アカウントも剥奪すべきだと僭越ながら思います)
上記が提示されない場合、規約に違反していない以上作品の訂正しようがございません。
冷静な対応をお願いいたします。
以上
(返信ここまで)
自分で読み返して、なかなか物騒な返信ですね(笑)。
一応規約は読み返しましたが、私に言わせれば「余分な記述」なんぞ無かったわけで。お試し版にお試し版という名前をつけて何が悪いんだという話です。
「本件については第三者が不当なクレームをつけた可能性が高い」と判断した私は、わりと強烈な返しをしてみました(笑)。
そしたらこんな返信が来ました。
XXXX様(私の本名)
審査にご協力いただき、ありがとうございました。次の語句を書籍のタイトルから削除して下さいますようお願い申し上げます- "お試し版". 書籍のタイトルに関連のない語句は、タイトルフィールドに記入できません。そうした記述は、Kindleストア利用者の誤解や混乱を招くおそれがあり、このような行為は容認されません。書籍の筋書きや内容に関する説明は、商品説明欄やその他の適切なメタデータフィールドに記述できます。
メタデータガイドラインに関するより詳細な情報は、こちらのリンクをご参照ください。https://kdp.amazon.co.jp/self-publishing/help?topicId=A294SHSUYLKTA6
申し訳ございませんが、本件につきましては、これ以上のご説明またはご対応はいたしかねます。
ご不明な点がある場合は、このEメールに返信または以下のURLから再度カスタマーサービスまでお問い合わせください。
(引用ここまで)
う~ん、おかしくないですか?
お試し版という手法はもはや大手出版社にすら浸透した方法で、もっとぶっちゃけて言うならセールス方法としては既成事実化しているわけですよ。
「申し訳ございませんが、本件につきましては、これ以上のご説明またはご対応はいたしかねます」に「もうコイツには関わりたくない」という心理が如実に現れていますが(笑)、あいにく私はしつこいのです。
第一ですが、この文面だと「コンテンツは認めるけど『お試し版』の表記はやめてよ」という文脈になりますよね。矛盾を感じたので、そこを突く事にしました。
以下、しつこい私の返信
お世話になっております。
下記のメールに返信いたします。
それでは「お試し版」の表記をサブタイトルに記載すればよろしいですか?
個人的な懸念として、本編とお試し版が同じ名前でストアに並ぶのは、それこそ誤解を生まないかということです。
また、現在ストアには同様のお試し版作品が多数ある気がしますが、そちらにも同様の措置を取るということでしょうか?
ご教授をお願いいたします。
(引用ここまで)
私が提示したポイントは以下の二つです。
①まず正規版の電子書籍と所謂お試し版というものが同じタイトルでストアに並ぶ事によって(サブタイトルは画面によっては表示されない)何よりもユーザーに迷惑がかかる事。
②この「お試し版」の表記をタイトルから(サブタイトルはOKだけど)削らせる事により、同じ手順を他作家や出版社とこなす事で膨大な労力と時間がかかる事。
以上の二つを含みとして文章に入れたんですね。
我ながらいやらしいですが(笑)、わりとすぐに下記の返信が来ました。
このたびは、お試し版作品についてご意見をお寄せいただき、ありがとうございます。お客様からのご意見やご要望は、Amazon KDPのプラットフォームを改善し、出版者へのサービスを向上するために活用させていただいております。以下の本はこれからも引き続きキンドルストアで販売いただけるようになります。
泡姫ありえない お試し版 (ASIN: B00MKBQ91G)
(引用ここまで)
うん、Amazonさんも気付いたんでしょうね(笑)。
一人の個人作家にお試し版をやめさせると、大手出版社も巻き込んだ混乱が起こりかねないとご判断されたんだろうと思います。まあ、実際にそうなるでしょう。
若干やり方はヤクザかもしれませんが(笑)、ひとまずお試し版という存在は守る事が出来ました。
別に自慢するわけではないですが、やはり「おかしい」と思った事には理路整然と反論する事も必要なんですね。
今回の通告で言われた事に唯々諾々と従っていたら、それこそ他の個人作家にご迷惑をおかけした可能性があるかもしれません。
なので
①自分が規約に抵触していない。また、規約を確認しても抵触している箇所を明白に発見する事が出来ない。
②相手の主張がやや合理的ではない。規約に乗っ取っていない。
③なんとなく、裏にモンスタークレーマーの影を感じる(笑)。
上記を満たしていれば、(あくまで紳士的に)反論する事も大事なんだろうと思います。
何もケンカをしろという事ではないですが、外国では「ハイフンが多すぎる」というクレームで出版停止に追い込まれた書籍もあるわけで、そういう時にはちゃんと抗議する必要があるんですね。そうしないと自著がストアから消えてしまうんですから。
今回のは本当に地味なケースですが、こういう事もあるんだなと、私の経験を共有していただけると幸いです。
以下Amazonカスタマーサービスからのメールを引用
Amazon KDPをご利用いただき、ありがとうございます。
お客様のKDPカタログの品質審査を実施したところ、以下の本のタイトルに、不要な記述が含まれていることが判明しました。
泡姫ありえない お試し版 (ASIN: B00MKBQ91G)
お客様の本のタイトル項目に、実際の本のタイトルには含まれない余分な記述が含まれており、Kindleストア利用者の混乱または誤解を招く恐れがあります。タイトル項目には、本の表紙や背表紙に表示される実際のタイトルだけを含める必要があります。たとえば、タイトル項目で、他の著者やタイトルについて無断で言及したり、広告や売上ランキングに関する語句を含めたりすることは禁止されています(ただし、必ずしもこれらに限定されません)。本やその内容を示す情報は本の説明に含めることができます。当社が提供するメタデータガイドライン(https://kdp.amazon.co.jp/self-publishing/help?topicId=A294SHSUYLKTA6) を確認し、ストア利用者の誤解を招かないようなタイトルを付けてください。
5営業日以内に、上記タイトルのほか、お客様のカタログで該当する本をすべて修正し、出版用に再提出してください。期限内に修正いただけない場合は、Kindleストアでの本の販売を差し止めさせていただきます。Kindleダイレクト・パブリッシング 利用規約では、お客様が当社に提供するすべてのメタデータは最新、完全、かつ正確であることが求められます。利用規約に何度も違反すると、お客様のKDPアカウントは停止されるか、オプションのKDPサービスにアクセスできなくなる可能性があります。
お客様により満足していただけるサービスをご提供できるように努めてまいります。今後ともKDPをよろしくお願いいたします。
(引用ここまで)
「わたし。 お試し版」についても同様のメールが来ていました。
要はアレですね。「オイオイ兄さん、Kindle本に関係ない記述がタイトルにありまっせ」という事ですね。
なんとなくですが、このタイミングでこういうクレームが来たのは作為的なものを感じるなと思った私は(だって規約に違反なんかしてませんからね)以下の返信を送ってみました。
上記の二作品ですが、「実際の本のタイトルには含まれない余分な記述」とは具体的に何を指すのでしょうか? ご教授をお願いします。
規約も拝見しましたが、一体どこの部分に抵触しているのかが明白に分かりません。
「お試し版」という記載でしたら両作品ともタイトル、内容に記入してありますし、表紙・商品説明にもその旨を記載してあります。
実際に商品のご確認はされましたでしょうか?
もしこのメールが所謂通報に基づくものでしたら、これは事実とは異なる威力業務妨害に当たらないでしょうか?
仮にこの作品を通報した方がいたとして、上記の「実際の本のタイトルには含まれない余分な記述」を第三者に分かるよう提示出来ないのであれば、その方のアカウント剥奪も含めた厳しい措置が必要ではないかと思います。
(KDPで出版している人で住所等の情報が一致する場合はその作家アカウントも剥奪すべきだと僭越ながら思います)
上記が提示されない場合、規約に違反していない以上作品の訂正しようがございません。
冷静な対応をお願いいたします。
以上
(返信ここまで)
自分で読み返して、なかなか物騒な返信ですね(笑)。
一応規約は読み返しましたが、私に言わせれば「余分な記述」なんぞ無かったわけで。お試し版にお試し版という名前をつけて何が悪いんだという話です。
「本件については第三者が不当なクレームをつけた可能性が高い」と判断した私は、わりと強烈な返しをしてみました(笑)。
そしたらこんな返信が来ました。
XXXX様(私の本名)
審査にご協力いただき、ありがとうございました。次の語句を書籍のタイトルから削除して下さいますようお願い申し上げます- "お試し版". 書籍のタイトルに関連のない語句は、タイトルフィールドに記入できません。そうした記述は、Kindleストア利用者の誤解や混乱を招くおそれがあり、このような行為は容認されません。書籍の筋書きや内容に関する説明は、商品説明欄やその他の適切なメタデータフィールドに記述できます。
メタデータガイドラインに関するより詳細な情報は、こちらのリンクをご参照ください。https://kdp.amazon.co.jp/self-publishing/help?topicId=A294SHSUYLKTA6
申し訳ございませんが、本件につきましては、これ以上のご説明またはご対応はいたしかねます。
ご不明な点がある場合は、このEメールに返信または以下のURLから再度カスタマーサービスまでお問い合わせください。
(引用ここまで)
う~ん、おかしくないですか?
お試し版という手法はもはや大手出版社にすら浸透した方法で、もっとぶっちゃけて言うならセールス方法としては既成事実化しているわけですよ。
「申し訳ございませんが、本件につきましては、これ以上のご説明またはご対応はいたしかねます」に「もうコイツには関わりたくない」という心理が如実に現れていますが(笑)、あいにく私はしつこいのです。
第一ですが、この文面だと「コンテンツは認めるけど『お試し版』の表記はやめてよ」という文脈になりますよね。矛盾を感じたので、そこを突く事にしました。
以下、しつこい私の返信
お世話になっております。
下記のメールに返信いたします。
それでは「お試し版」の表記をサブタイトルに記載すればよろしいですか?
個人的な懸念として、本編とお試し版が同じ名前でストアに並ぶのは、それこそ誤解を生まないかということです。
また、現在ストアには同様のお試し版作品が多数ある気がしますが、そちらにも同様の措置を取るということでしょうか?
ご教授をお願いいたします。
(引用ここまで)
私が提示したポイントは以下の二つです。
①まず正規版の電子書籍と所謂お試し版というものが同じタイトルでストアに並ぶ事によって(サブタイトルは画面によっては表示されない)何よりもユーザーに迷惑がかかる事。
②この「お試し版」の表記をタイトルから(サブタイトルはOKだけど)削らせる事により、同じ手順を他作家や出版社とこなす事で膨大な労力と時間がかかる事。
以上の二つを含みとして文章に入れたんですね。
我ながらいやらしいですが(笑)、わりとすぐに下記の返信が来ました。
このたびは、お試し版作品についてご意見をお寄せいただき、ありがとうございます。お客様からのご意見やご要望は、Amazon KDPのプラットフォームを改善し、出版者へのサービスを向上するために活用させていただいております。以下の本はこれからも引き続きキンドルストアで販売いただけるようになります。
泡姫ありえない お試し版 (ASIN: B00MKBQ91G)
(引用ここまで)
うん、Amazonさんも気付いたんでしょうね(笑)。
一人の個人作家にお試し版をやめさせると、大手出版社も巻き込んだ混乱が起こりかねないとご判断されたんだろうと思います。まあ、実際にそうなるでしょう。
若干やり方はヤクザかもしれませんが(笑)、ひとまずお試し版という存在は守る事が出来ました。
別に自慢するわけではないですが、やはり「おかしい」と思った事には理路整然と反論する事も必要なんですね。
今回の通告で言われた事に唯々諾々と従っていたら、それこそ他の個人作家にご迷惑をおかけした可能性があるかもしれません。
なので
①自分が規約に抵触していない。また、規約を確認しても抵触している箇所を明白に発見する事が出来ない。
②相手の主張がやや合理的ではない。規約に乗っ取っていない。
③なんとなく、裏にモンスタークレーマーの影を感じる(笑)。
上記を満たしていれば、(あくまで紳士的に)反論する事も大事なんだろうと思います。
何もケンカをしろという事ではないですが、外国では「ハイフンが多すぎる」というクレームで出版停止に追い込まれた書籍もあるわけで、そういう時にはちゃんと抗議する必要があるんですね。そうしないと自著がストアから消えてしまうんですから。
今回のは本当に地味なケースですが、こういう事もあるんだなと、私の経験を共有していただけると幸いです。
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