「寵愛の館」書評
- 2015/07/10
- 22:48
忌川タツヤさんの遺言に従い(失礼)、かねてから読もうと思っていた「寵愛の館」(初瀬明生氏著)を読了しました。
このストーリーをざっくり説明すると、小説は主人公の貴博が書いた告発文のような文章から始まります。
舞台は大海に浮かぶ孤島で、貴博は18年という歳月をここの館だけで暮らしてきました。貴博は四人兄妹の末っ子で、次男の隆治、そして姉の明日香とこの人里離れた館で暮らしています。長男の修だけはなぜか父と伴に会社の経営に加わっています。
この貴族のような暮らしは、会社の社長である父親が与えたものでした。文字通り箱入り息子に箱入り娘というやつでしょうか。
そんな貴博の家族に、ある日事件が起きます。
釣りに出かけたまま姿が見えない隆治を探しに行くと、兄は変わり果てた姿で発見されます。
隆治を殺した犯人は? そして、この館に隠された秘密とは?
信頼していた人間が牙を剥いたその時、少年は走り出した。
……そんな感じのお話です。
小説のジャンルはミステリものですね。
ここからは個人的な感想を。
正直に申し上げると、序盤ではなかなか盛り上がる展開がなく、ちょっと本を閉じようかと思った瞬間もありました。ですが、後半になればなるほどこの作品は面白く、二人目の殺人が起こってからはページをめくる手が止まりませんでした。
特に最後の犯人と交わすスリリングなやり取り、一気に明かされる真相はお見事。
その分だけ序盤の平板さが悔やまれるかなという印象でした。
ここからは私の完全な独り言なんですが、ストーリー紹介で説明したように、寵愛の館というのは孤島にある密室なわけです。その中であの三兄妹はいいコすぎたというのがあったのかもしれませんね。
ですから、例えば序盤に明日香の子供を二人ほど出しておいて、少ししたら貴博と隆治の子供だという事を読者に伝えるんです。そうなると、一気に常軌を逸している感が出て、読者の興味が向いたのではないかな、と。子供は後で犯人の人質に使えますしね。
話は盛大に脱線するんですが、私は中学生あたりまで水泳をやってまして、ウォーミングアップは女子と一緒なわけですよ。
で、それでは軽く200mぐらいをダラダラと泳ぐんですが、その時に男女はテキトーに混じっているので、普通に女子のケツを見ながら泳いでいる事があるわけです。が、肝心の私は毎日見ているスク水のケツは性的な対象から完全に外側にあるわけで、むしろそんなんで興奮する奴の方がおかしいという感覚でした。
が、この話を友人にしたところ完全にカルチャーショックだったらしく、「そんな事がありえるのか」と驚いていました。
とまあ話はすごい逸れ方をしましたが(笑)、やはり陸の孤島で育てられた兄弟って、まったく悪気なく性的な関係を結んでいる可能性があるわけで(そもそも世間体という概念が存在しないから)そこを描いたらアダルツな人達が喜んだ可能性が高いですね。
ん? これレビューか?
記事後半の脱線ぶりはともかくとして、確かにこの作品は名作でした。
値段もお手ごろな200円。上巻は常時無料です。
閉ざされた空間のスリリングな駆け引きを楽しみたい方はぜひどうぞ。
このストーリーをざっくり説明すると、小説は主人公の貴博が書いた告発文のような文章から始まります。
舞台は大海に浮かぶ孤島で、貴博は18年という歳月をここの館だけで暮らしてきました。貴博は四人兄妹の末っ子で、次男の隆治、そして姉の明日香とこの人里離れた館で暮らしています。長男の修だけはなぜか父と伴に会社の経営に加わっています。
この貴族のような暮らしは、会社の社長である父親が与えたものでした。文字通り箱入り息子に箱入り娘というやつでしょうか。
そんな貴博の家族に、ある日事件が起きます。
釣りに出かけたまま姿が見えない隆治を探しに行くと、兄は変わり果てた姿で発見されます。
隆治を殺した犯人は? そして、この館に隠された秘密とは?
信頼していた人間が牙を剥いたその時、少年は走り出した。
……そんな感じのお話です。
小説のジャンルはミステリものですね。
ここからは個人的な感想を。
正直に申し上げると、序盤ではなかなか盛り上がる展開がなく、ちょっと本を閉じようかと思った瞬間もありました。ですが、後半になればなるほどこの作品は面白く、二人目の殺人が起こってからはページをめくる手が止まりませんでした。
特に最後の犯人と交わすスリリングなやり取り、一気に明かされる真相はお見事。
その分だけ序盤の平板さが悔やまれるかなという印象でした。
ここからは私の完全な独り言なんですが、ストーリー紹介で説明したように、寵愛の館というのは孤島にある密室なわけです。その中であの三兄妹はいいコすぎたというのがあったのかもしれませんね。
ですから、例えば序盤に明日香の子供を二人ほど出しておいて、少ししたら貴博と隆治の子供だという事を読者に伝えるんです。そうなると、一気に常軌を逸している感が出て、読者の興味が向いたのではないかな、と。子供は後で犯人の人質に使えますしね。
話は盛大に脱線するんですが、私は中学生あたりまで水泳をやってまして、ウォーミングアップは女子と一緒なわけですよ。
で、それでは軽く200mぐらいをダラダラと泳ぐんですが、その時に男女はテキトーに混じっているので、普通に女子のケツを見ながら泳いでいる事があるわけです。が、肝心の私は毎日見ているスク水のケツは性的な対象から完全に外側にあるわけで、むしろそんなんで興奮する奴の方がおかしいという感覚でした。
が、この話を友人にしたところ完全にカルチャーショックだったらしく、「そんな事がありえるのか」と驚いていました。
とまあ話はすごい逸れ方をしましたが(笑)、やはり陸の孤島で育てられた兄弟って、まったく悪気なく性的な関係を結んでいる可能性があるわけで(そもそも世間体という概念が存在しないから)そこを描いたらアダルツな人達が喜んだ可能性が高いですね。
ん? これレビューか?
記事後半の脱線ぶりはともかくとして、確かにこの作品は名作でした。
値段もお手ごろな200円。上巻は常時無料です。
閉ざされた空間のスリリングな駆け引きを楽しみたい方はぜひどうぞ。
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