夏居暑氏に送るアンサー
- 2015/06/16
- 23:33
昨日ご紹介しました夏居暑氏のブログで光栄にも特集を組んでもらえましたので、作品の裏話とかもからめつつアンサー記事を書いていこうと思います。
夏居暑氏のブログにはこちらから飛んで下さい。
この記事では「被筆禍」を解説していただいていますが、この作品に張り巡らされた計算は大よそ書きながらやりました。当初は浮気相手の男性が自殺してジ・エンドのはずだったんですね。
ところがどっこい、当初の終わり近くまで書いていくと「これじゃあオチが弱いよねえ」と思ったので、まさかの妻がADAUCHIにというストーリーを考えました。
こうする事によってストーリーが二重底になり、読者はただの傍観者から、事件の当事者が持つ視点で小説を読んでいく事になる、というわけです。
そのためには伏線として妻がキレるような何かが無いといけないですよね。そこで思いついたのがGTH(go to hotel)という隠語です。なぜこういう要素が必要かと言うと、リアルの世界では奥さんに携帯を見られる事態を夫の方が想定していないとおかしいわけです。
考えて下さい。「これから君と11時ホテル○○で集合してニャンニャンしたいんだけどどうだい?」っていうメールを打ちますか? そんな人はいないでしょう。
ですから、こうやって隠語で話させる事によって、夫と浮気相手にしか持てない親密さを作り出し、読者には空白を想像と読解力で補完させるというわけです。実は結構気を遣います。
奥さんも「今日GTHどう?」なんて文章を見れば、その意味が分からなくてもなんとなく察しますよね? それでGTHはのちにgo to hellに変わるわけです(笑)。
追加のストーリーは思いつきと偶然の産物ですが、そこに至るまでのプロセスは計算してやってるわけです。分かりましたか電書ちゃん?(意外に私は根に持ちますよ 笑)
「奇書 狂狂まわる」でもそうでしたが、私はいわゆるワナビホラーというものを書く時には、読者が「これは自分の身にも起こり得る」という心境になるよう心がけています。
わりと最近やったリングの映画では、上映中に貞子からスマホに着信があるという企画になってたそうですが、こういうのいいですよね。
ホラー映画がスクリーンの向こう側の出来事だと高をくくっている人を、作品の中へと一気に引きずり込むわけです。これをやられると鑑賞者が味わう緊張感はまるで別物になります。そういうのを文字という表現媒体を通してやりたかったというわけですね。時々メタをただの当てこすりと勘違いされている人もいるわけですが、私がやりたかったのは基本的には作品と読者の間にある壁をぶっ壊すという事です。
ただ、私の場合はちょいとネジが外れているみたいで、「被筆禍」で夫が浮気をバラされそうになって半狂乱になっている場面を書いている時は自分でゲラゲラ笑っていました(笑)。そういう意味ではおかしい奴なんでしょう。
そういうわけで、私がよく話題にされる内輪ネタとかハイコンテクストな部分というのはあくまでオマケです。分からなくても大して問題はないわけです。私は自分が本当に表現したい事があるから小説を書いているわけであって、そういう部分ばかりに気を取られるのは主に読者自身の責任です(笑)。
一度内輪ネタを完全に無視して「鬼娘の千倍返し: ガンズ・オブ・パクリオット」を読んでもらいたいなあと思います。あれが一番計算していますし、テーマ的にも一番重たいです。ちゃんと読めばですが。
上巻は無料ですので、ぜひ一度読んでみて下さいね。
夏居暑氏のブログにはこちらから飛んで下さい。
この記事では「被筆禍」を解説していただいていますが、この作品に張り巡らされた計算は大よそ書きながらやりました。当初は浮気相手の男性が自殺してジ・エンドのはずだったんですね。
ところがどっこい、当初の終わり近くまで書いていくと「これじゃあオチが弱いよねえ」と思ったので、まさかの妻がADAUCHIにというストーリーを考えました。
こうする事によってストーリーが二重底になり、読者はただの傍観者から、事件の当事者が持つ視点で小説を読んでいく事になる、というわけです。
そのためには伏線として妻がキレるような何かが無いといけないですよね。そこで思いついたのがGTH(go to hotel)という隠語です。なぜこういう要素が必要かと言うと、リアルの世界では奥さんに携帯を見られる事態を夫の方が想定していないとおかしいわけです。
考えて下さい。「これから君と11時ホテル○○で集合してニャンニャンしたいんだけどどうだい?」っていうメールを打ちますか? そんな人はいないでしょう。
ですから、こうやって隠語で話させる事によって、夫と浮気相手にしか持てない親密さを作り出し、読者には空白を想像と読解力で補完させるというわけです。実は結構気を遣います。
奥さんも「今日GTHどう?」なんて文章を見れば、その意味が分からなくてもなんとなく察しますよね? それでGTHはのちにgo to hellに変わるわけです(笑)。
追加のストーリーは思いつきと偶然の産物ですが、そこに至るまでのプロセスは計算してやってるわけです。分かりましたか電書ちゃん?(意外に私は根に持ちますよ 笑)
「奇書 狂狂まわる」でもそうでしたが、私はいわゆるワナビホラーというものを書く時には、読者が「これは自分の身にも起こり得る」という心境になるよう心がけています。
わりと最近やったリングの映画では、上映中に貞子からスマホに着信があるという企画になってたそうですが、こういうのいいですよね。
ホラー映画がスクリーンの向こう側の出来事だと高をくくっている人を、作品の中へと一気に引きずり込むわけです。これをやられると鑑賞者が味わう緊張感はまるで別物になります。そういうのを文字という表現媒体を通してやりたかったというわけですね。時々メタをただの当てこすりと勘違いされている人もいるわけですが、私がやりたかったのは基本的には作品と読者の間にある壁をぶっ壊すという事です。
ただ、私の場合はちょいとネジが外れているみたいで、「被筆禍」で夫が浮気をバラされそうになって半狂乱になっている場面を書いている時は自分でゲラゲラ笑っていました(笑)。そういう意味ではおかしい奴なんでしょう。
そういうわけで、私がよく話題にされる内輪ネタとかハイコンテクストな部分というのはあくまでオマケです。分からなくても大して問題はないわけです。私は自分が本当に表現したい事があるから小説を書いているわけであって、そういう部分ばかりに気を取られるのは主に読者自身の責任です(笑)。
一度内輪ネタを完全に無視して「鬼娘の千倍返し: ガンズ・オブ・パクリオット」を読んでもらいたいなあと思います。あれが一番計算していますし、テーマ的にも一番重たいです。ちゃんと読めばですが。
上巻は無料ですので、ぜひ一度読んでみて下さいね。
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