殺薔薇が併せて読みたいに選ばれた理由
- 2015/06/14
- 22:17
「鬼娘の千倍返し: ガンズ・オブ・パクリオット」を読んだ方々から二件ほど「ラストはもの悲しい」というご感想をいただいたのですが、これには併せて読みたい作品として選ばれた「殺人は、甘く切ない薔薇の香り」が少し関連してきます。
私のブログでも書評を書いた本作ですが、この作品と「鬼娘の千倍返し: ガンズ・オブ・パクリオット」には共通するテーマがあります。
それは、復讐です。
殺薔薇のざっとしたストーリーは上記のリンクから飛んで確認して欲しいのですが、この二作を読み比べると、復讐に対する視点の違いで楽しめるでしょう。
如月氏にバズーカで撃たれるとマズいので(笑)ネタバレしない程度に殺薔薇のラストを説明すると、まあ後味の良い終り方というところでしょう。これは扱うテーマの重さから、著者の如月氏が読者に配慮した部分もあるのだと思います。
対する「鬼娘の千倍返し: ガンズ・オブ・パクリオット」のラストは某氏曰く「最高に後味が悪かったです(笑)」と言われるものになりました。これはちょっと狙った部分があって、私の伝えたい事が思いっきり反映されたラストになっています。
過去の記事で「桃太郎はこれといった理由なく鬼が島を襲撃している」と書いた記憶がありますが、だからといって、桃太郎をただ殺し返すような方法ではうまくいきません。それは主に桃太郎の血縁者等から、新たな憎しみを生むからです。今も地球上では戦争が続いていますが、言ってみればそれは報復の連鎖であり、そのチェーンは昔から変わらないわけです。
どこかで憎しみの連鎖を終わらせないと、争いというものは終わらないんですね。そういう事で、地球上で繰り返される復讐の連鎖を風諭的にこの小説で表現した部分があります。
そういう流れで、「桃太郎に復讐しましたヤッピー♪」みたいな結末は絶対に書くわけにはいきませんでした。如月氏の場合は「小説だから許される」という事で殺薔薇をエンタメとして書ききったと理解していますが、私の場合だと、どうしてもこの作品で読者が得た精神的滋養というものを、復讐殺人を肯定するような動機に使わせてはいけないという思いがありました。まあ、そんな人は一人もいないでしょうけど(笑)。
そんな重いテーマが背景にあって、殺薔薇は併せて読みたい小説に選ばれたわけです。
そして、この物語が持つ後味の悪さというのは、読者が各々で復讐に対してどういう姿勢を持つのか、もう少し考えてほしかったのです。
まあ、仕返しぐらいならいいでしょう。でも、はたして命を奪ってでも許される罪というのは、感情を抜きにしたらどれだけあるのか?
また、感情の抜きにしたからこそ、いっそ殺しておいた方が人類のために良い人だっているのかもしれない。
と、色んな考えが浮かんでくるでしょうが、それぞれの方が本著で復讐とか正義の在り方を再定義出来るといいですね。
重いテーマはこうやって軽そうなノリの中にひっそりと隠しておくわけです。
ヤンデレと呼ばれている方にはオススメのテクニックですよ(笑)。
私のブログでも書評を書いた本作ですが、この作品と「鬼娘の千倍返し: ガンズ・オブ・パクリオット」には共通するテーマがあります。
それは、復讐です。
殺薔薇のざっとしたストーリーは上記のリンクから飛んで確認して欲しいのですが、この二作を読み比べると、復讐に対する視点の違いで楽しめるでしょう。
如月氏にバズーカで撃たれるとマズいので(笑)ネタバレしない程度に殺薔薇のラストを説明すると、まあ後味の良い終り方というところでしょう。これは扱うテーマの重さから、著者の如月氏が読者に配慮した部分もあるのだと思います。
対する「鬼娘の千倍返し: ガンズ・オブ・パクリオット」のラストは某氏曰く「最高に後味が悪かったです(笑)」と言われるものになりました。これはちょっと狙った部分があって、私の伝えたい事が思いっきり反映されたラストになっています。
過去の記事で「桃太郎はこれといった理由なく鬼が島を襲撃している」と書いた記憶がありますが、だからといって、桃太郎をただ殺し返すような方法ではうまくいきません。それは主に桃太郎の血縁者等から、新たな憎しみを生むからです。今も地球上では戦争が続いていますが、言ってみればそれは報復の連鎖であり、そのチェーンは昔から変わらないわけです。
どこかで憎しみの連鎖を終わらせないと、争いというものは終わらないんですね。そういう事で、地球上で繰り返される復讐の連鎖を風諭的にこの小説で表現した部分があります。
そういう流れで、「桃太郎に復讐しましたヤッピー♪」みたいな結末は絶対に書くわけにはいきませんでした。如月氏の場合は「小説だから許される」という事で殺薔薇をエンタメとして書ききったと理解していますが、私の場合だと、どうしてもこの作品で読者が得た精神的滋養というものを、復讐殺人を肯定するような動機に使わせてはいけないという思いがありました。まあ、そんな人は一人もいないでしょうけど(笑)。
そんな重いテーマが背景にあって、殺薔薇は併せて読みたい小説に選ばれたわけです。
そして、この物語が持つ後味の悪さというのは、読者が各々で復讐に対してどういう姿勢を持つのか、もう少し考えてほしかったのです。
まあ、仕返しぐらいならいいでしょう。でも、はたして命を奪ってでも許される罪というのは、感情を抜きにしたらどれだけあるのか?
また、感情の抜きにしたからこそ、いっそ殺しておいた方が人類のために良い人だっているのかもしれない。
と、色んな考えが浮かんでくるでしょうが、それぞれの方が本著で復讐とか正義の在り方を再定義出来るといいですね。
重いテーマはこうやって軽そうなノリの中にひっそりと隠しておくわけです。
ヤンデレと呼ばれている方にはオススメのテクニックですよ(笑)。
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