アリエル、年の瀬の曙光を眺めて呟く
- 2014/12/31
- 09:25
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どんな声だったかどんなんだったか薄れて忘れかけている。
忘れないようにすることは難しい。
記憶なんてそんなもん。
でも、あなたは今どうしてるんだろうな、なんて思う。
大げさな言い方になるかもしれないけど、あなたが生きているってわかっただけで、なんていうか、本当に安心した。
よくね、わたしって自分がバカなんじゃないかって思うんだよね。
あなた以外の人なんていくらでも地球にいるはずなのに、それでも、いつか感じたあの温もりが懐かしくて、何年も前の優しさにまだ浸ってる。それはあったかくて、痛くて。
もしかしたら、あなたはわたしのことなんかすっかり忘れて、他の誰かと一緒になっているのかもしれないね。いや、その方が幸せなのかも?
でも毎回年の瀬に思い出すんだよね。きっとどこかでまた会おう、なんてテキトーな約束をしたこと。
そんな子供じみた約束ながらも、その残滓はまだわたしの心の底にじんわりと、じんわりと残っている。
もしかしたら、これはあなたと奇跡的な再会をする予兆なのかもしれない。バカみたいだけど、そんな科学的根拠のない希望だって、時には実現することもあるんだよ。
だからね、どんなにつらいことがあっても生き続けてほしい。あなたとは遠く離れているけど、どこかで魂はつながってるんだ、きっと。
あの時もサヨナラは言わなかったし、これからも言わない。だから、自分から誇りだけは失わずに生きてください。
遠くの空から親愛を込めて……。
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