「極悪専用」書評
- 2021/06/07
- 01:55
たまたま本屋で見つけて「何これ面白そう!」と衝動買いした本を紹介します。
大沢在昌の「極悪専用」です。
なぜか空港で一番売れている本らしいのですが(笑)、ストーリ-を紹介しますね。
ざっくりと本作の説明をすると、裏社会の大物を祖父に持つ主人公望月拓馬(もちづき たくま)は、日々おじいちゃんの脅威を盾にイキった生活を続けていたのですが、調子に乗り過ぎておじいちゃん激おこ→根性を叩きなおしてやるわと極悪人だらけのマンション管理人助手をやらされます。
先客の管理人白旗さんはゴリラのような見た目で、口が横に裂かれています。ビジュアル的には口裂けゴリラという感じでしょうか。
そんな白旗さんと一緒にいつ殺されてもおかしくないマンションで、怖すぎる凶悪犯を相手に管理人業務をこなしていく拓馬。管理人助手の契約期限は1年。管理人助手の最長生存記録は4か月という絶望的な状況の中、あっちこっちでひどい目に遭います。
果たして拓馬は生きて任期を終えられるのか?
そして、白旗のオッサンが持つ過去とは……?
そんな話ですね。真っ先に思い浮かんだのは平山夢明の「ダイナー」ですね。
あれをもっとコミカルにして、いい意味でライトな感じにすると本作になる気がします。
本作では次々と出てくる極悪人にワクワクしつつ、白旗のオッサンの謎が徐々に解けていくところが見どころです。
どうしようもないクズがいつ死んでもおかしくない状況に放り込まれて急成長する話ってやっぱり楽しいですよね。ただコミカルなだけでなく、白旗のオッサンが持つ過去が徐々に明らかになっていくところも好きでした。
強いて本作の難を言うなら、意外にモテる白旗のオッサンの取り合いがあっさり終わるところですかね。あそこはもっと壮絶な争いというか、血で血を洗うようなメンヘラアサシン同士のアクション描写があっても良かったのではないかというのはありました。予想よりもそこはアッサリしていましたね。
とはいえとにかく面白く、一気読みでしたね。半分ぐらい読んでいて、これは絶対レビューを書こうと決めていたほどだったので。
ノワールなのに、ある意味小学生に読ませても通じそうなところがあるのが怖いですね(笑)。
本当はこういう作品こそセルパブで読みたいなとは思うんですけど、誰か挑戦してくれないですかね。ただのノワールだったら商業にいくらでも優れた書き手はいるので。
とにかく空港で一番売れている本は伊達じゃない。
ノワール好きにもコメディ好きにも軽い気持ちで一気読みしてもらいたい一冊ですね。
こちらもよろしく!
大沢在昌の「極悪専用」です。
なぜか空港で一番売れている本らしいのですが(笑)、ストーリ-を紹介しますね。
ざっくりと本作の説明をすると、裏社会の大物を祖父に持つ主人公望月拓馬(もちづき たくま)は、日々おじいちゃんの脅威を盾にイキった生活を続けていたのですが、調子に乗り過ぎておじいちゃん激おこ→根性を叩きなおしてやるわと極悪人だらけのマンション管理人助手をやらされます。
先客の管理人白旗さんはゴリラのような見た目で、口が横に裂かれています。ビジュアル的には口裂けゴリラという感じでしょうか。
そんな白旗さんと一緒にいつ殺されてもおかしくないマンションで、怖すぎる凶悪犯を相手に管理人業務をこなしていく拓馬。管理人助手の契約期限は1年。管理人助手の最長生存記録は4か月という絶望的な状況の中、あっちこっちでひどい目に遭います。
果たして拓馬は生きて任期を終えられるのか?
そして、白旗のオッサンが持つ過去とは……?
そんな話ですね。真っ先に思い浮かんだのは平山夢明の「ダイナー」ですね。
あれをもっとコミカルにして、いい意味でライトな感じにすると本作になる気がします。
本作では次々と出てくる極悪人にワクワクしつつ、白旗のオッサンの謎が徐々に解けていくところが見どころです。
どうしようもないクズがいつ死んでもおかしくない状況に放り込まれて急成長する話ってやっぱり楽しいですよね。ただコミカルなだけでなく、白旗のオッサンが持つ過去が徐々に明らかになっていくところも好きでした。
強いて本作の難を言うなら、意外にモテる白旗のオッサンの取り合いがあっさり終わるところですかね。あそこはもっと壮絶な争いというか、血で血を洗うようなメンヘラアサシン同士のアクション描写があっても良かったのではないかというのはありました。予想よりもそこはアッサリしていましたね。
とはいえとにかく面白く、一気読みでしたね。半分ぐらい読んでいて、これは絶対レビューを書こうと決めていたほどだったので。
ノワールなのに、ある意味小学生に読ませても通じそうなところがあるのが怖いですね(笑)。
本当はこういう作品こそセルパブで読みたいなとは思うんですけど、誰か挑戦してくれないですかね。ただのノワールだったら商業にいくらでも優れた書き手はいるので。
とにかく空港で一番売れている本は伊達じゃない。
ノワール好きにもコメディ好きにも軽い気持ちで一気読みしてもらいたい一冊ですね。
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