次回作ちょっと書いてみた
- 2021/05/19
- 23:00
「俺の名前は刈田刃(かりた じん)」
ふいにメタルギアシリーズのボスキャラみたいな自己紹介が始まる。
「俺は生まれた時から女の衣服を切り裂く事に快楽を憶えてきた。いい女を見ると、最初に考えるのは、どこから服を切り刻むかだった」
麗奈がガチの嫌悪感に満ちた目で刈田を見る。だが、それで怯むような刈田ではない。
「体育の時、脱いだままの女子の私服を切り刻むのが俺の密かな楽しみだった。外部からの侵入者がいるに違いない。そんな憶測を学校がする中、俺は腹が下ったからトイレに行きたいと言い、誰もいない女子更衣室に忍び込んではお気に入りの娘の衣服をハサミで切り刻んだ」
「最、低」
はっきりと声に出して言った。だが、刈田には少しも届いていない。
「ある日、いつもの通りにお気に入りの娘の服を切り刻みに行った時、更衣室のロッカーに大人が潜んでいやがった。警備員だった。捕まりそうになった俺は、警備員の目をハサミで刺した。怯んだ隙に殴りつけ、昏倒させると、目から血を流す警備員のベルトを緩めた」
「まさか……」
先の展開が読めて、脚が震えはじめる。
その先はあまりにもおぞましいので聞きたくなかった。
「パンツを脱がすと、奴のイチモツがあらわになった。どうせこの汚ねえチンポで若い女をいたぶってるんだろうと思うと、腹が立った。俺はハサミを取り出して……」
「やめて!」
耳をふさいで叫ぶ。それ以上は聞きたくなかった。その先は言わずとも分かった。
目の前の男は想像を超える極悪人だった。
たしかに自分の妻を寝取ったからと浮気相手の局部を切り落とした格闘家はいた。だが、それも理解出来ないものではない。人としてあってはいけない事だが、同じ人間として理解が出来る理屈もあった。
それに対して、目の前の男は自分の欲望を果たすためだけに極悪非道な行為に手を染めた。ここまでくるとテロリストだ。その警備員がどうなったのかは聞きたくもない。
「それじゃあ飽き足らずに自分のタマまで切り落としちまったみたいだな」
怖気のする返し。もちろん、骸(むくろ)のものだった。
――やめて。
心の叫びは、ついぞ口から出ていけなかった。
ふいにメタルギアシリーズのボスキャラみたいな自己紹介が始まる。
「俺は生まれた時から女の衣服を切り裂く事に快楽を憶えてきた。いい女を見ると、最初に考えるのは、どこから服を切り刻むかだった」
麗奈がガチの嫌悪感に満ちた目で刈田を見る。だが、それで怯むような刈田ではない。
「体育の時、脱いだままの女子の私服を切り刻むのが俺の密かな楽しみだった。外部からの侵入者がいるに違いない。そんな憶測を学校がする中、俺は腹が下ったからトイレに行きたいと言い、誰もいない女子更衣室に忍び込んではお気に入りの娘の衣服をハサミで切り刻んだ」
「最、低」
はっきりと声に出して言った。だが、刈田には少しも届いていない。
「ある日、いつもの通りにお気に入りの娘の服を切り刻みに行った時、更衣室のロッカーに大人が潜んでいやがった。警備員だった。捕まりそうになった俺は、警備員の目をハサミで刺した。怯んだ隙に殴りつけ、昏倒させると、目から血を流す警備員のベルトを緩めた」
「まさか……」
先の展開が読めて、脚が震えはじめる。
その先はあまりにもおぞましいので聞きたくなかった。
「パンツを脱がすと、奴のイチモツがあらわになった。どうせこの汚ねえチンポで若い女をいたぶってるんだろうと思うと、腹が立った。俺はハサミを取り出して……」
「やめて!」
耳をふさいで叫ぶ。それ以上は聞きたくなかった。その先は言わずとも分かった。
目の前の男は想像を超える極悪人だった。
たしかに自分の妻を寝取ったからと浮気相手の局部を切り落とした格闘家はいた。だが、それも理解出来ないものではない。人としてあってはいけない事だが、同じ人間として理解が出来る理屈もあった。
それに対して、目の前の男は自分の欲望を果たすためだけに極悪非道な行為に手を染めた。ここまでくるとテロリストだ。その警備員がどうなったのかは聞きたくもない。
「それじゃあ飽き足らずに自分のタマまで切り落としちまったみたいだな」
怖気のする返し。もちろん、骸(むくろ)のものだった。
――やめて。
心の叫びは、ついぞ口から出ていけなかった。
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