新作の断片
- 2021/04/29
- 10:38
♂
映画館でパニックホラーを観る時、登場人物たちはなんであんなにバカなんだろう? と思っていた。
目の前にバケモノがいるのに逃げない。逃げださない。逃げなければ喰われるだけなのに。
だが、自分がその立場になって初めて分かった。これは、動けない。
目の前に迫る「彼女」。疑いようもない、思い出の亡霊。見えなかったことにしてきたものが、否定しようのない距離まで近付いてくる。
面影はある。幼いまま時が止まったような顔つき。どこか危うさを感じさせるようなオーラ。だが、その目は昏く、血走っている。
俺が去ってから、彼女に何があったのかは分からない。
だけど、このままじっとしていたら俺は刺されるか何か、ヘタをしたら想像もできないほどむごたらしい方法で殺されるのかもしれない。
娘が視界の端に入り、我に返る。そうだ、俺の人生はかつてのように俺一人の責任じゃない。生き延びて、娘を育ててやらないといけない。
たたかう
→にげる
逃げる。
俺は、逃げる。
映画館でパニックホラーを観る時、登場人物たちはなんであんなにバカなんだろう? と思っていた。
目の前にバケモノがいるのに逃げない。逃げださない。逃げなければ喰われるだけなのに。
だが、自分がその立場になって初めて分かった。これは、動けない。
目の前に迫る「彼女」。疑いようもない、思い出の亡霊。見えなかったことにしてきたものが、否定しようのない距離まで近付いてくる。
面影はある。幼いまま時が止まったような顔つき。どこか危うさを感じさせるようなオーラ。だが、その目は昏く、血走っている。
俺が去ってから、彼女に何があったのかは分からない。
だけど、このままじっとしていたら俺は刺されるか何か、ヘタをしたら想像もできないほどむごたらしい方法で殺されるのかもしれない。
娘が視界の端に入り、我に返る。そうだ、俺の人生はかつてのように俺一人の責任じゃない。生き延びて、娘を育ててやらないといけない。
たたかう
→にげる
逃げる。
俺は、逃げる。
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