出すか出さないか微妙な新作の断片
- 2021/04/08
- 17:00
人生というものはある瞬間を機にして一気に変わることがある。
栄転先で仕事を続け、気付けば俺は結婚していた。
妻は仕事の関係で紹介された女(ひと)だった。
芯が強く、俺のダメなところをはっきりとダメと言ってくれる。未来のパートナーにするにはぴったりの人材だった。
夢から覚めるとあっさりしたものだ。あれだけ心に巣くい、消えなかった切なさは愛情という水に薄められてすっかりと消えてしまった。恋は盲目というが、俺は何かおかしな病理にでもかかっていただけなのかもしれない。
子供も出来て、俺は自然と父親になっていった。
息子は昨日生まれたと思ったらもう小学校に上がる前で、時の流れというものは本当に酷薄で、だからこそ一瞬一瞬を全力で生きないといけないのかもしれない。
彼女はどうしているだろう?
たまには思い出した。
それでも、過去の人は過去の人だ。
どれだけ美しい思い出も、どれだけ切ない心情も、過ぎれば茫洋とした思い出に変わるだけ。
きっとこれが現実なのだろう。
彼女は俺のことなんか忘れて、店にやって来たいい男と結婚して幸せに暮らしている。きっとそうだ。そう考えた方が幸せじゃないか。それ以外に何が出来るというのだ?
栄転先で仕事を続け、気付けば俺は結婚していた。
妻は仕事の関係で紹介された女(ひと)だった。
芯が強く、俺のダメなところをはっきりとダメと言ってくれる。未来のパートナーにするにはぴったりの人材だった。
夢から覚めるとあっさりしたものだ。あれだけ心に巣くい、消えなかった切なさは愛情という水に薄められてすっかりと消えてしまった。恋は盲目というが、俺は何かおかしな病理にでもかかっていただけなのかもしれない。
子供も出来て、俺は自然と父親になっていった。
息子は昨日生まれたと思ったらもう小学校に上がる前で、時の流れというものは本当に酷薄で、だからこそ一瞬一瞬を全力で生きないといけないのかもしれない。
彼女はどうしているだろう?
たまには思い出した。
それでも、過去の人は過去の人だ。
どれだけ美しい思い出も、どれだけ切ない心情も、過ぎれば茫洋とした思い出に変わるだけ。
きっとこれが現実なのだろう。
彼女は俺のことなんか忘れて、店にやって来たいい男と結婚して幸せに暮らしている。きっとそうだ。そう考えた方が幸せじゃないか。それ以外に何が出来るというのだ?
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