出すか出さないか微妙な新作の断片
- 2021/04/03
- 01:13
瞬く間に営業のトップに昇りつめた俺は、一種の寂しさも感じていた。
――俺は、家族というものをよく知らない。
公園で楽しそうに子供の相手をする親子を見ると、いつも胸がしめつけられる思いだった。
俺もあんな幸せを得る権利があったのだろうか?
そして、俺はまだ見ぬ我が子にそれを与えることが出来るのか?
自分が得ることの出来なかったものを。
考えれば考えるほど不安になった。
仕事はいい上司に恵まれたおかげで怒鳴られながらでも成長することが出来た。
だけど、父親という役割についてはどうなのだろう?
それには教師などいない。自分の頭で考えて、自分でそれになるしかない。
そんなことが俺に出来るのだろうか?
思えば愛情の定義も曖昧だ。俺は本当の意味で愛されることがどういうことなのか理解していない。
家族が増えても不幸にしてしまうだけなんじゃないか。
それが怖かった。
――俺は、家族というものをよく知らない。
公園で楽しそうに子供の相手をする親子を見ると、いつも胸がしめつけられる思いだった。
俺もあんな幸せを得る権利があったのだろうか?
そして、俺はまだ見ぬ我が子にそれを与えることが出来るのか?
自分が得ることの出来なかったものを。
考えれば考えるほど不安になった。
仕事はいい上司に恵まれたおかげで怒鳴られながらでも成長することが出来た。
だけど、父親という役割についてはどうなのだろう?
それには教師などいない。自分の頭で考えて、自分でそれになるしかない。
そんなことが俺に出来るのだろうか?
思えば愛情の定義も曖昧だ。俺は本当の意味で愛されることがどういうことなのか理解していない。
家族が増えても不幸にしてしまうだけなんじゃないか。
それが怖かった。
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