出すか出さないか微妙な新作の断片(視点を男性側に変えてみると結構恐怖だったりする)
- 2021/03/17
- 07:00
Faithbookは基本実名で登録するから、たぶん本人なんだと思う。同姓同名の可能性も無きにしもあらずだけど、職歴とか趣味とか、言葉の使い方のクセを見ると彼以外はありえない。
胸が高鳴る。
何年も前に叶わなかった恋が、こんな形で実を結ぼうとしている。
今は誰もがやり方しだいで生き別れの人と会える時代になっている。奇跡が起きようとしているのを感じて、わたしの胸は高鳴った。
自分でもFaithbookのアカウントを作る。偽名で。
いや、芸能人とかって芸名でFaithbookってやってるし。
紫乃 。
いつかわたしが使っていた源氏名 。
彼はわたしの本名を知っている。
わたしの名前は――
彼は本当に覚えてくれているのかな、なんて思う。
メッセージを送ることができるので、書く前にアレコレと考える。
ダメだ。
あんなに愛しくて、あんなに会いたかったのに、いざ自分の想いを伝えようとすると頭が真っ白になってしまう。
こういう時、なんて声をかけたらいいのだろう?
自分が紡ぐべき言葉を考えているだけで、涙があふれ出てきてしまう。
ねえ、わたしはあなたのことを一秒だって忘れたことは無かったよ?
あなたは――
あなたはどうなの?
わたしのこと、覚えていてくれてる?
忘れないでいてくれてる?
遠い空を眺めて、あの夜のことを思い出してくれたり、してる?
昔愛した女の顔が思い出せなくて、泣いた夜がある?
あって、ほしいよ。
わたしはずっとずっと苦しかった。
ただのお客さんだったはずなのに、あなたはずっとわたしの心に居座った。
ずっとずっと、長い間。
そう、本当に長い間。
ずっと会いたかったのに、今そのチャンスが来て二の足を踏んでいる。
そんな自分が嫌なんだけど、それがわたしなんだと思う。
だって、それがわたしなんだから。
胸が高鳴る。
何年も前に叶わなかった恋が、こんな形で実を結ぼうとしている。
今は誰もがやり方しだいで生き別れの人と会える時代になっている。奇跡が起きようとしているのを感じて、わたしの胸は高鳴った。
自分でもFaithbookのアカウントを作る。偽名で。
いや、芸能人とかって芸名でFaithbookってやってるし。
いつかわたしが使っていた
彼はわたしの本名を知っている。
わたしの名前は――
彼は本当に覚えてくれているのかな、なんて思う。
メッセージを送ることができるので、書く前にアレコレと考える。
ダメだ。
あんなに愛しくて、あんなに会いたかったのに、いざ自分の想いを伝えようとすると頭が真っ白になってしまう。
こういう時、なんて声をかけたらいいのだろう?
自分が紡ぐべき言葉を考えているだけで、涙があふれ出てきてしまう。
ねえ、わたしはあなたのことを一秒だって忘れたことは無かったよ?
あなたは――
あなたはどうなの?
わたしのこと、覚えていてくれてる?
忘れないでいてくれてる?
遠い空を眺めて、あの夜のことを思い出してくれたり、してる?
昔愛した女の顔が思い出せなくて、泣いた夜がある?
あって、ほしいよ。
わたしはずっとずっと苦しかった。
ただのお客さんだったはずなのに、あなたはずっとわたしの心に居座った。
ずっとずっと、長い間。
そう、本当に長い間。
ずっと会いたかったのに、今そのチャンスが来て二の足を踏んでいる。
そんな自分が嫌なんだけど、それがわたしなんだと思う。
だって、それがわたしなんだから。
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