出すかどうか微妙な新作の断片
- 2021/03/01
- 00:00
まだリリースするか微妙な感じですが、次回作を順調に出すとすれば、筆名は月狂紫乃(つきぐるい しの)になるでしょう。設定は俺の妹(笑)。
女性の視点なので、女性名義の方がいいだろうと、ただそれだけなんですけどね。
おそらくルナシノって呼ばれるんじゃないかと(笑)。
では断片を。
ある日、いつも通りにオッサンの家に上がりこんだ。シャワーを浴びて、濡れた身体をタオルで拭くと、そのままベッドに倒れこむ。脚をひらいて、ピンク色の割れ目をぱかっと開けて、オッサンに見せる。
あとはテキトーに愛撫されて、次にこっちがしごいて、なめて、しゃぶって、下になって、ゴムを差しだして、着けさせて、挿入させて、心にもないあえぎ声をあげてあんあん言っていればよかったはずだった。
激しく揺れるベッド。
そういや今日の相手って筋肉質だな、なんて思いながら薄目で相手の顔を見た。
その瞬間、眼光の鋭さにぶるるって寒気がして、震える。
極悪な顔。ひたいにブチブチと浮かんだ太い血管。
――カタギじゃ、なくね?
嫌な予感がよぎったその刹那、オッサンが怖すぎる形相でわたしの首をしめる。両手で。ぐぐぐっと。
「……っ!」
声も出せず、両足をばたつかせる。
苦しい。
死ぬのなんてこわくなかった、はずなんだけど、いざ本当に生命の危機がせまるとわたしは生きようとしていた。
花柄の入ったネイルで、オッサンの目を狙う。爪が目に入れば、大抵の人間はひるむ。その内に逃げようと思った。
だけど、必死な抵抗はむなしく空を切るばかり。わたしの両手は、溺れるように虚空をさまよった。
ヤバい。本当にヤバい。
死ぬかも……。
気が遠くなる。意識が「向こう側」へ、ゆらゆらと揺れていく。
オッサンは笑っていた。
薄気味悪い笑み。あおり運転で、こんな感じの笑い方をする男が逮捕されていたのを思い出した。
「助け……」
知らぬ間にノドが解放されていて、蚊の鳴くような声で命ごい。こんなところで死にたくない。ウリに行ったら殺されたとか、悲しすぎる。
ぜえぜえと息を切らす。過呼吸になったのか、息をしているのに苦しい。平べったい胸は恐怖ですごくうねっている。
「首絞めが好きでよお……」
闇の向こうから声がもれてくる。
邪悪な眼。黒い欲望に恍惚とした男。ひたすら気持ち悪い。
「こうやって不意打ちで首を絞めた時、恐怖で歪む女の顔が好きなんだあ……」
邪悪な顔が近付いてきて、怖すぎるから目を閉じる。耳たぶに当たる生ぬるい息。耳をなめられて、全身に寒気が走る。気持ち悪さが神レベルだった。
ああ、神待ちで出会ったのって死神だったんだ。
運命が容赦なさすぎる。
もう死ぬんだと思った。
頬を涙が伝う。
ぜめて一度ぐらい本気の恋がしたかったな。
あきらめが脳内にじんわりと広がる。
死にたく、ないよぉ。
女性の視点なので、女性名義の方がいいだろうと、ただそれだけなんですけどね。
おそらくルナシノって呼ばれるんじゃないかと(笑)。
では断片を。
ある日、いつも通りにオッサンの家に上がりこんだ。シャワーを浴びて、濡れた身体をタオルで拭くと、そのままベッドに倒れこむ。脚をひらいて、ピンク色の割れ目をぱかっと開けて、オッサンに見せる。
あとはテキトーに愛撫されて、次にこっちがしごいて、なめて、しゃぶって、下になって、ゴムを差しだして、着けさせて、挿入させて、心にもないあえぎ声をあげてあんあん言っていればよかったはずだった。
激しく揺れるベッド。
そういや今日の相手って筋肉質だな、なんて思いながら薄目で相手の顔を見た。
その瞬間、眼光の鋭さにぶるるって寒気がして、震える。
極悪な顔。ひたいにブチブチと浮かんだ太い血管。
――カタギじゃ、なくね?
嫌な予感がよぎったその刹那、オッサンが怖すぎる形相でわたしの首をしめる。両手で。ぐぐぐっと。
「……っ!」
声も出せず、両足をばたつかせる。
苦しい。
死ぬのなんてこわくなかった、はずなんだけど、いざ本当に生命の危機がせまるとわたしは生きようとしていた。
花柄の入ったネイルで、オッサンの目を狙う。爪が目に入れば、大抵の人間はひるむ。その内に逃げようと思った。
だけど、必死な抵抗はむなしく空を切るばかり。わたしの両手は、溺れるように虚空をさまよった。
ヤバい。本当にヤバい。
死ぬかも……。
気が遠くなる。意識が「向こう側」へ、ゆらゆらと揺れていく。
オッサンは笑っていた。
薄気味悪い笑み。あおり運転で、こんな感じの笑い方をする男が逮捕されていたのを思い出した。
「助け……」
知らぬ間にノドが解放されていて、蚊の鳴くような声で命ごい。こんなところで死にたくない。ウリに行ったら殺されたとか、悲しすぎる。
ぜえぜえと息を切らす。過呼吸になったのか、息をしているのに苦しい。平べったい胸は恐怖ですごくうねっている。
「首絞めが好きでよお……」
闇の向こうから声がもれてくる。
邪悪な眼。黒い欲望に恍惚とした男。ひたすら気持ち悪い。
「こうやって不意打ちで首を絞めた時、恐怖で歪む女の顔が好きなんだあ……」
邪悪な顔が近付いてきて、怖すぎるから目を閉じる。耳たぶに当たる生ぬるい息。耳をなめられて、全身に寒気が走る。気持ち悪さが神レベルだった。
ああ、神待ちで出会ったのって死神だったんだ。
運命が容赦なさすぎる。
もう死ぬんだと思った。
頬を涙が伝う。
ぜめて一度ぐらい本気の恋がしたかったな。
あきらめが脳内にじんわりと広がる。
死にたく、ないよぉ。
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