執筆が治療になるのなら、読書は鍛練になる
- 2020/05/12
- 21:53
新作を出し終わって読みモードに入っています。
馳星周の「夜光虫」を読みました。滅茶苦茶面白かった。
これは八百長に関わった野球選手が闇社会の泥沼へと落ちていく話なのですが、馳星周作品って本当に物語の中に読者を引き込む力がすごいというか、知らぬ間にその物語の主人公と同じ視点で物語を追っている事が多いような気がするのですね。
そこで気付いたのですが、小説には読み手にも治療効果というか、精神的に成長を促す効果があるなと。
というのもですね、たとえばヤクザと現実の人生で会ったらおそらく実際には現状に向き合えない部分があるのでしょうけど、こうやって物語だとか、フィクションというフィルターを挟むだけで、「こうなったら自分はどうしようか」みたいな自問を読み手は頼まれていなくても勝手に始める部分があるというか、世間一般の人があまり向き合いたくない問題に少しずつでも取り組むように、知らぬ間になっているところがあるのかなと。
まあ、所詮は仮想現実なんですけど、普通に生きていたら「ヤクザに暴力で脅されて八百長をしないとアレをバラすぞとか、お前の女を殺すぞって言われたどうしよう」とか、まず考えないじゃないですか(笑)。
でも、」物語に没頭すると、仮想的にではあるもののいくらか向き合い難い問題に目を向けようとする部分があるというか、そういう意味では人の意思を強くする部分もあるのかなと思いはじめたのです。
思えばそういうバイオレンス物が好きな人って必ずしもアウトローではないじゃないですか。そうなると反面教師的に作用する部分もあるのかなと。単にフィクションはフィクションと割り切ってしまっているだけかもしれませんが。
なので、執筆であえて触れたくないところに触れてみたり、読む行為を通じて見たくないものに目を向ける行為というのは、一見ただの趣味に見えて精神的な滋養にもなっているのかもしれません。
ちなみにこの「夜光虫」は「暗手」なる続編が出ているそうで、そんなの聞いたら読みたくなるに決まってますよね(笑)。
まだ馳星周作品のストックはいっぱいあるので、別の本も挟みつつ片っ端から読んでいこうかと。
馳星周の「夜光虫」を読みました。滅茶苦茶面白かった。
これは八百長に関わった野球選手が闇社会の泥沼へと落ちていく話なのですが、馳星周作品って本当に物語の中に読者を引き込む力がすごいというか、知らぬ間にその物語の主人公と同じ視点で物語を追っている事が多いような気がするのですね。
そこで気付いたのですが、小説には読み手にも治療効果というか、精神的に成長を促す効果があるなと。
というのもですね、たとえばヤクザと現実の人生で会ったらおそらく実際には現状に向き合えない部分があるのでしょうけど、こうやって物語だとか、フィクションというフィルターを挟むだけで、「こうなったら自分はどうしようか」みたいな自問を読み手は頼まれていなくても勝手に始める部分があるというか、世間一般の人があまり向き合いたくない問題に少しずつでも取り組むように、知らぬ間になっているところがあるのかなと。
まあ、所詮は仮想現実なんですけど、普通に生きていたら「ヤクザに暴力で脅されて八百長をしないとアレをバラすぞとか、お前の女を殺すぞって言われたどうしよう」とか、まず考えないじゃないですか(笑)。
でも、」物語に没頭すると、仮想的にではあるもののいくらか向き合い難い問題に目を向けようとする部分があるというか、そういう意味では人の意思を強くする部分もあるのかなと思いはじめたのです。
思えばそういうバイオレンス物が好きな人って必ずしもアウトローではないじゃないですか。そうなると反面教師的に作用する部分もあるのかなと。単にフィクションはフィクションと割り切ってしまっているだけかもしれませんが。
なので、執筆であえて触れたくないところに触れてみたり、読む行為を通じて見たくないものに目を向ける行為というのは、一見ただの趣味に見えて精神的な滋養にもなっているのかもしれません。
ちなみにこの「夜光虫」は「暗手」なる続編が出ているそうで、そんなの聞いたら読みたくなるに決まってますよね(笑)。
まだ馳星周作品のストックはいっぱいあるので、別の本も挟みつつ片っ端から読んでいこうかと。
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