「サインカーブに浮かぶ日」を読んだオッサン
- 2020/04/29
- 10:14
昨日の記事でも紹介していました、王木亡一朗氏の新作「サインカーブに浮かぶ日」を一気読みしました。読みやすかったので早かったですね。
作品紹介にあらすじを書こうかと思ったのですが、今読み返していてすげえ難しい事に気付きました(笑)。だって、これといった事件が起こらないんだもん。
基本的には主人公を取り囲む日常を中心に話が進んでいくのですが、ちょっとオッサンになってくると「わかるわかる」と言いたくなるようなちょっとした心理的な機微というか、ちょっとした間から読み取る何か、なんて言うと「なんやそれ?」と言われてしまいそうですが、文章のあちこちに年取ってくるとちょっとずつ感じ始める寂しさや切なさが散りばめられていて、それを読みやすい文体の中からくみ取るのが楽しかったですね。
作品とは直接関係ないんですけど、最近私が感じた事で実際にあったのは、たとえば友人から子供の写真が付いた年賀状が届いたりするんですけど、この前生まれたばっかりだと思っていた子がどんどん大きくなってくるのですね。
それを、100%純粋に祝福出来ていない自分がいて、その裏には自分が「そうなれていない事」に対する恐怖みたいなのがあったり、過去の悲しい恋愛(笑)が過ぎったりとか、色んな絡んでくるんですね。
そうなるとね、その「友人のおめでたい事を素直に祝福出来ていない自分」が嫌になってくるのですよ。そこには何とも言えない寂しさというか、「あの時こうしていたら」と、作中で言う「あったかもしれない未来」にどうしても思いを馳せてしまうのですね。
そういう視点も持ってこの作品を読むと、ものすごく奥深くなるというか、別に読んでいてつらくなったりするわけでもないんですけど、読んでいてところどころ切なさを感じたというか、ああ、こういう作品を書くのもいいのかもな、とか、そんなパクリ願望が出てきました(笑)。
もうわけが分からないぐらい脱線しましたが(笑)、今作では王木氏の「別に大きな事件なんか起こさなくても物語は書けるんじゃない」みたいな、いい意味での余裕というか、平坦な話の中にでも読者に何かを伝える事が出来る自信のようなものを感じましたね。まさかの純文学路線にベクトルを伸ばしてきたというか。
とにかく面白かった。読み放題なので、自宅待機の期間を使って一気に読んでみましょう。
作品紹介にあらすじを書こうかと思ったのですが、今読み返していてすげえ難しい事に気付きました(笑)。だって、これといった事件が起こらないんだもん。
基本的には主人公を取り囲む日常を中心に話が進んでいくのですが、ちょっとオッサンになってくると「わかるわかる」と言いたくなるようなちょっとした心理的な機微というか、ちょっとした間から読み取る何か、なんて言うと「なんやそれ?」と言われてしまいそうですが、文章のあちこちに年取ってくるとちょっとずつ感じ始める寂しさや切なさが散りばめられていて、それを読みやすい文体の中からくみ取るのが楽しかったですね。
作品とは直接関係ないんですけど、最近私が感じた事で実際にあったのは、たとえば友人から子供の写真が付いた年賀状が届いたりするんですけど、この前生まれたばっかりだと思っていた子がどんどん大きくなってくるのですね。
それを、100%純粋に祝福出来ていない自分がいて、その裏には自分が「そうなれていない事」に対する恐怖みたいなのがあったり、過去の悲しい恋愛(笑)が過ぎったりとか、色んな絡んでくるんですね。
そうなるとね、その「友人のおめでたい事を素直に祝福出来ていない自分」が嫌になってくるのですよ。そこには何とも言えない寂しさというか、「あの時こうしていたら」と、作中で言う「あったかもしれない未来」にどうしても思いを馳せてしまうのですね。
そういう視点も持ってこの作品を読むと、ものすごく奥深くなるというか、別に読んでいてつらくなったりするわけでもないんですけど、読んでいてところどころ切なさを感じたというか、ああ、こういう作品を書くのもいいのかもな、とか、そんなパクリ願望が出てきました(笑)。
もうわけが分からないぐらい脱線しましたが(笑)、今作では王木氏の「別に大きな事件なんか起こさなくても物語は書けるんじゃない」みたいな、いい意味での余裕というか、平坦な話の中にでも読者に何かを伝える事が出来る自信のようなものを感じましたね。まさかの純文学路線にベクトルを伸ばしてきたというか。
とにかく面白かった。読み放題なので、自宅待機の期間を使って一気に読んでみましょう。
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