最近読んだ本と不思議な話
- 2019/11/10
- 17:00
「最後の医者は桜を見上げて君を想う」という作品をたまたまKindle Unlimitedで発見して読みました。
ずいぶんと引き込まれてしまったのでここで感想がてらに不思議な話を。
物語を簡単に説明すると、患者を何がなんでも生きさせようとする名医、福原と「死神」という二つ名を持つ桐子(苗字)という医者がいくつもの死を巡って「どのように死と対峙するのか」を描いた作品です。いつものごとく歩きながら二宮Kindlowスタイルで読んだのですが、思ったよりもかなり読みいってしまいました。
「死神」のあだ名で呼ばれる桐子は末期の病を抱えた患者にあえて闘病する事を諦めさせ、余生を意義のある生き方をさせるという哲学を持っています。
対して福原はどれだけ苦しんでも患者が生きられる事にプライオリティを置いている。
作中「どちらが正しいのだろう?」と何度も考えさせられました。
若い頃なら間違いなく福原派だったというか、「生きる事こそ最大の勝利」という思想になっていたかと思いますが、近親者が苦しんで死んでいく姿を見た時、はたしてそれは真実なのだろうか? という疑問がいつもこの胸のどこかにあったのも事実です。
確かに遺される者としてはどんな形であれその人に生きていて欲しいというのは間違いありません。でも、それってただの我儘なんじゃないか? と思う瞬間もいくらかありました。特に、どうしようもない病と闘う人を見ていると……。
自分の大切な存在が生きているがために苦しんでいるのを目の当たりにすると、ピリオドを打ってあげるのも一つの優しさなのではないかと思う時があるのです。
といったわけで、死生観について今一度考えてみたい方にはぜひ読んでいただきたいなとも思いました。
さて、ここからは不思議な話なのですが、ずいぶんと昔にこのような記事を書きました。
信じてもらえない可能性の方が圧倒的に高いのですが、ここにあった不思議な話は事実です。
あの時亡くなった犬は、亡くなったまさにその日の朝にくうくうと私に何かを訴えていました。
犬を撫でながら、いよいよ別れが近いと思ったのをよく憶えています。
あれから不思議な事がありましてねえ、あの死んだはずの犬の声が聞こえただいぶ後、年下の犬の癖が亡くなった犬にひどく似始めたのです。
どれがどうとは説明しづらいのですが、犬にも個性があり、それは家族同士だと分かるものです。
それがどう見ても、あの亡くなった犬のそれにしか見えない瞬間が何度もあったのです。
ためしに亡くなった犬の名前でその子を読んでみました。そうしたら、振り返りました。
あの犬は、もしかしたら私の言う通り本当に帰って来たのかもしれません。
本作で死への臨み方を見た時、そのような事を思い出しました。
事実はどうあれ、今一緒にいられる人やペットとの時間の一瞬一瞬を大切にしたいと思います。
どんな結末が来ても最後に笑っていられるように。
そして、いつかまた大切な存在と出会えた瞬間を心から喜べるように。
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