最近読んだ本
- 2019/06/13
- 17:00
「嫌われ松子の一生」で有名な山田宗樹の作品。
いつか読んでやろうと大事に温存しておいた。
面白かった。夢中で読んだ。レビューで女性の心理がどうたらとか書かれていたが、正直そんなのどうでも良いぐらいに知的好奇心がそそられた。
話は黒手病という、罹ると黒い粒子を吐いて死んでしまう奇病と闘う話なのだけど、調査の過程で化学だけでなく歴史もからんできて、海外の小説のようなエンタメ感があった。
読んでいて如月恭介氏の「エンジェル」を思い出した。出てくる人がいい人ばっかりという点では二作は相通ずるものがある気がする。
最後は切ないラストだった。なんとかならないっすかね~? と思わず訊きたくなるような造りという事で、作者の術中にまんまとのっている気がするのだが、悪い気はしない。
これで「文豪たちの悪口本」にシフト出来る。これが終わったら「悪人」を読んで、それが終わったらその頃リリースされているだろうよう実を読んで、と、残債のように溜まりゆくつんどく本の消化はまるでわんこそばのやうである。
スポンサーサイト