中二病を恐れてはいけません
- 2021/10/31
- 23:53
どの芸術分野でも「中二病」という言葉が侮蔑のニュアンスとともに使われます。文藝の界隈だとファンタジー物であったり女性心理について深いところまで踏み込んだ作品であったり、太宰や三島チックな純文学もそのような言葉の槍玉に上がります。言われた方はそれなりに腹を立てたり不快な思いをしたり、はたまた傷付く事だってあるのですが……私はあえてここでこう言い切りたい。芸術表現なんぞ99%が中二病だと。そもそも文学作品...
新作の断片
- 2021/10/28
- 00:46
「見つかったら厄介ね」 壁に張り付く塔子。 落とされた照明。経路が見えないせいで、どう進めばいいか分からない。 大二郎から送られた地図情報を見よう。スマホを取り出す。「そこにいるのは誰だ!」 色めき立つ半グレ達。スマホの光で見つかった。うっかりくノ一。やはりスパイ映画のようにはいかない。「こちら塔子。敵に見つかったわ」「お前バカだろう」 棒読み。呆れる大二郎。 構わず上半身に巻きつけたホルスターか...
KDPで(気軽に)紙本を出せるようになった
- 2021/10/22
- 01:16
すでにいくらか話題にはなっていますが、KDPで電子書籍の作品を紙本として出すサービスが始まりました。Kindleストアで紙書籍を個人出版できるサービス、日本でもスタート 初期費用、在庫リスクなし(外部リンク)これは何気に大事件というか、文学賞を受賞していない一般的には素人と呼ばれる個人作家が紙本をノーリスクで出版出来るという、途轍もなく画期的な出来事なのだと思います。まあ、たしかに今まで紙本は出ていました...
糸魚川鋼二「金と勝負とプロゲーマー1」書評
- 2021/10/21
- 00:57
セルパブ作品である糸魚川鋼二氏著の「金と勝負とプロゲーマー1」を読了しました。 以前に読んだ「黒春」が面白かったのもあり、9万字ほどのボリュームというのでこれは読みやすいなと手に取りました。本当にざっくりとした説明になりますが、本作は将棋界の若き伝説である藤見勝多(ふじみ しょうた)がお忍びでeスポーツというプロのゲーム大会に出るというもので、ソロモンという「将棋」を模したゲームで無双ぶりを発揮し...
NEMOPHILAの新譜が出た!
- 2021/10/20
- 01:23
このブログでも何度か紹介してきたNEMOPHILAの音源がとうとう出ました。 今まではデジタルシングルだけでしたけど、やはりCDという形でほしいというのは私も前からありました。オススメは圧倒的にこの曲。ぜひ聴いて下さいね。200%世界的に活躍するバンドですよ!...
黒歴史になる予感(食事中は読むな)
- 2021/10/18
- 00:13
新作を少しずつ書いています。今回もバトル物ですね。まだ二人目の敵なんですけど、こいつの設定がまたひどいのです。くノ一忍法帖をパクりつつ色々な能力を持った敵を撃破していく話なのですが、敵が結構キワモノというか、特殊性癖をそのまま擬人化して敵にしたような奴ばかりなので、必然的に想像を絶する変態ばかりと闘う事になります。二人目の敵はウンコのエキスパートです(笑)。全身からウンコをしたたらせ、防御壁のよう...
薬丸岳「誓約」書評
- 2021/10/16
- 00:29
薬丸岳の「誓約」を読みました。 以前にWOWOWでもドラマになった「悪党」が面白かったのもあり、書店で目に留まったのを機にすぐ手に取りました。 あらすじを紹介します。主人公である向井聡は妻と娘と一緒に暮らしつつ、落合というパートナーと共同経営でバーのオーナーを務めています。派手な暮らしではありませんが、地道にコツコツと生きる、どちらかというと幸せな家庭に類する生活を送っています。そんな折、向井のも...
牛野小雪「ペンギンと太陽」書評
- 2021/10/13
- 01:12
久しぶりに牛野小雪氏が新作を出しました。 「ペンギンと太陽」――あらすじが……非常に書きにくい(笑)。いっそ省略します。冒頭で「本文中で気に入った、あるいは何かをひらめいた言葉やフレーズを発見すれば、読書を中断してtwitterにその部分を書き込むことをおすすめします」という不敵な提案がありました。それもあり、今作は氏にとって実験小説でもあるのかなという印象を受けました。かねてから氏はまったく関係ない文章...
セルパブ的な情報
- 2021/10/10
- 23:59
久しぶりにセルパブ的なニュースをやろうかと。はじめに牛野小雪氏が新作を出しました。 まだ全部は読んでいませんが、文章自体は比較的自由というか、色々な事をあえて試して遊びながら自分の表現出来る幅を広げているという印象。次の長編で今作を土台にした何かがドカーンといきそうな気がします。次に八幡謙介氏がADAUCHIの新作を書き始める模様。その布石として自作を解説する作品(設定資料集?)を出しましたね。 ...
「昨日の海は」書評
- 2021/10/10
- 00:20
以前読んだ「インフルエンス」が面白かったのもあり、読み放題になっていた近藤史恵の「昨日の海は」を読了しました。いやあ、面白かった。 あらすじを簡単に説明すると、主人公にあたる光介君は地方の海辺で静かに家族と暮らしています。そこへ母の妹である伯母の芹と、いとこの双葉ちゃんが転がり込んできて突如同居→家族が増えるといった状況になります。伯母の芹はシングルマザー。あまり自身については語りませんが、光介...
本当に待ってたやつが来た
- 2021/10/09
- 00:52
たまたまYoutubeで発見しました。とうとうやりました。でかしたNEMOPHILA(笑)。嬉しくてLINE知人友人に無差別に送りまくりました(笑)。LUNA SEA愛がたくさん籠っている「鉄姫」も読んでね(しれっと宣伝)。 いっとき☆5付きましたが知らぬ間に消えてました。読んだ人は大体楽しんでくれているのでぜひ。...
たまたま見つけてテンションが上がった動画
- 2021/10/07
- 00:54
イングヴェイの超絶難曲をまさかのバイオリンで演奏。サムネを見た時に大体想像がついてあんまり期待していませんでしたが(笑)それを遥かに超えてきましたね。これは本当にすごいですね。...
新作の断片
- 2021/10/06
- 01:17
――大須賀製薬某県工場。 深夜の工場の会議室。大須賀敏郎は秘書と一緒に来季の粉飾決算をいかに行うかを打ち合わせていた。 そのさなか、工場の警報が鳴りはじめた。 オールバックの秘書が端末を操作して状況を読み取る。スマートフォンを取り出し、関係者と軽く会話してから須賀へ報告をはじめる。「ドローンが不審人物を発見しました」 秘書が言うと、葉巻を加えた大須賀敏郎は目を細めた。「どんな奴だ」「JKがノーヘル...
新作の断片
- 2021/10/05
- 00:50
「コードネームは塔子で決まりだな」「なにが」 ニヤニヤ笑いを続ける大二郎。 芹沢は虚空を小太刀で斬りつけていた。見た目がポニーテールの少女に見えるので、ガラの悪いくノ一に見える。「佐藤がそう呼んだんだろう? それならあえてその名を使って報復してやるのも面白いんじゃないかって思ったんでな」「俺は面白くねえよ」 芹沢は顔を顰める。 スポーツブランドのジャージを着てみたが、筋骨隆々の男であった時と比べて...
Mary's Bloodの新譜が嬉しいオッサン
- 2021/10/02
- 23:51
最近好きなMary's Bloodが新譜を出しました。これを再生しながら読むといいんじゃないですかね。 以前に動画も紹介しつつ、新作にかなりの期待感を持っていましたが、いや素晴らしい。45分ぐらいの内容でかなり濃い内容のメタルアルバムになったというか、シンプルな曲ゆえに何度でも聴き返せるのがいいですね。通勤時間等で必ず毎日1周は聴いています。月光を思わせる静かなイントロにはじまり、事実上の1曲目であるWighout ...